空き家のミカタ

相続したリゾートマンションを売りたい|管理費滞納・売れない場合の対処法

空き家のミカタ編集部|宅地建物取引業者(大阪府知事(1)第65646号)
雪山を背景にそびえる高層リゾートマンションの外観 相続不動産のイメージ

親や親族が亡くなり、軽井沢・熱海・那須・富士山周辺などに購入したリゾートマンションを相続したものの、「売れない」「使わない」「管理費だけ払い続けている」という状況で困っていませんか。

リゾートマンションを相続した場合の主な対処法は、①訳あり専門業者への買取依頼(0円・格安譲渡含む)、②管理費負担を抑えながら仲介売却を待つ、③相続放棄(期限内の場合)、④管理組合・周辺住民への無償譲渡、の4択です。バブル期に建てられたリゾートマンションの多くは現在ほぼ市場価値がなく、一般仲介では売れ残るケースが大半のため、早めに専門業者への相談をお勧めします。


目次

  1. 相続したリゾートマンションでよく起きる問題
  2. リゾートマンションが売れにくい4つの理由
  3. 管理費滞納と競売リスク
  4. 処分方法4選と向いているケース
  5. よくあるご質問
  6. まとめ

相続したリゾートマンションでよく起きる問題

山間部に立つ高層マンションの外観 リゾートマンション相続のイメージ

リゾートマンションの相続が特に厄介なのは、「誰も使わないのに毎月お金が出ていく」という構造にあります。

管理費・修繕積立金の継続負担

区分所有建物(マンション)は、住んでいる・住んでいないにかかわらず、管理組合に対して毎月の管理費と修繕積立金を支払う義務があります(区分所有法19条・25条)。

リゾートマンションの管理費・修繕積立金は施設の規模によって異なりますが、温泉・プール・スキーロッカーなどの共用施設が多い物件では月1〜5万円程度になるケースもあります。年間にすると12〜60万円の固定費が発生し続けます。

固定資産税の負担

建物が残っている限り、固定資産税と都市計画税も毎年かかります。リゾートマンションは都市計画区域外の「市街化調整区域」に位置することもありますが、固定資産税は課税対象です。

バブル期に高値で取引されたリゾートマンションの中には、現在の市場価格がほぼゼロに近いにもかかわらず、固定資産税評価額がまだ高い物件も残っています。

相続登記の義務化への対応

2024年4月1日から相続登記が義務化されています。相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります(不動産登記法76条の2)。リゾートマンションの場合も同様に、まず相続登記を完了させることが売却の前提条件です。

宅建業者の視点
「バブル期に購入したリゾートマンションの相談は年々増えています。『査定してもらったら0円と言われた』というケースが多いですが、管理費の支払い義務がある以上、放置し続けることが最悪の選択になります。早めにご相談いただくことをお勧めします。」


リゾートマンションが売れにくい4つの理由

一般の不動産仲介サイト(SUUMO・HOME’S等)にリゾートマンションを掲載しても、売れ残るケースが大半です。その理由は大きく4つあります。

理由①:需要が著しく少ない

リゾートマンションを「実際に購入したい」と考える人は、現代の日本では非常に少数です。テレワーク普及による別荘需要の一部回復はあるものの、バブル期のような大量需要は戻っておらず、供給過多・需要少なしの状態が続いています。

理由②:建物の老朽化

バブル期(1980年代後半〜1990年代前半)に建設されたリゾートマンションは現在築30〜40年以上になっています。大規模修繕が未実施だったり、給排水管の老朽化・断熱性能の低さ・エレベーターの老朽化などが重なり、買い手がローンを組む際の審査が通りにくいケースもあります。

理由③:維持コストが価格に反映される

「買っても毎月1〜5万円の管理費がかかる」という物件を好んで購入する人はいません。管理費・修繕積立金の年間負担が購入検討者の大きな障壁になっており、売り出し価格をいくら下げても成約に至らないケースが多いです。

理由④:共用施設の維持コスト問題

リゾートマンションの温泉・プール・スキー場送迎バスなどの共用施設は、入居者減少とともに維持できなくなっているケースも出ています。共用施設が使えなくなると物件の魅力がさらに低下し、売却がより難しくなります。


管理費滞納と競売リスク

管理費・修繕積立金を払い続けることが難しくなった場合、「払わなければどうなるか」を理解しておくことが重要です。

滞納からの流れ

  1. 督促状の送付(管理組合・管理会社から)
  2. 内容証明郵便による請求(弁護士や管理会社が対応)
  3. 少額訴訟・支払督促(数か月分の滞納で提訴可能)
  4. 区分所有法59条に基づく競売申立て(悪質な滞納者への対抗措置)

区分所有法59条は「6か月以上の管理費滞納かつ他の区分所有者の共同生活に著しい障害を与えている場合」に競売を申し立てられる規定です。競売になると市場価格をさらに大幅に下回る価格での落札になりやすく、最悪の場合は手元に残るお金がほぼゼロになることもあります。

管理費の滞納が発生している場合は、早急に管理組合・管理会社と状況を共有し、専門業者への売却を急ぐことが重要です。


処分方法4選と向いているケース

不動産業者と契約書を確認する高齢夫婦 リゾートマンション売却相談のイメージ

方法①:訳あり物件の買取専門業者に直接売却

リゾートマンション・負動産(負の資産)の処分に特化した買取専門業者に現況のまま売る方法です。

向いているケース:早く処分したい・管理費の支払いを止めたい・一般仲介で動かない・市場価格がほぼゼロの物件。

専門業者であれば、市場価値がほぼゼロの物件でも「0円での引き取り」や「費用負担付き引き取り」に対応している場合があります。仲介手数料が不要で、売却が完了すれば管理費・固定資産税の義務も解消されます。

方法②:一般仲介で売り出す(価格を大幅に下げて)

一般仲介で売り出す場合、リゾートマンションは数十万円以下〜1円といった価格設定で成約するケースがあります。価格設定の目安としては「今後10年間の管理費総額と固定資産税の合計」を最大値として考え、それ以下に設定することで買い手の関心を引ける場合があります。

注意点:売れるまでに1〜3年かかることもあります。その間は管理費・固定資産税が発生し続けます。

方法③:相続放棄(期限内の場合)

相続を知った日からまだ3か月以内であれば、家庭裁判所に相続放棄を申述することでリゾートマンションを含む全相続財産の引き受けを拒否できます(民法915条)。

注意点:相続放棄は全相続財産が対象のため、預貯金・生命保険・他の不動産なども含めてすべて放棄することになります。プラスの財産が多い場合は相続放棄が不利になる可能性があります。また、相続放棄後も「占有している財産」については管理義務が残ります(2023年改正民法940条)。

方法④:管理組合・周辺住民・他の区分所有者への無償譲渡

同じリゾートマンションの他の区分所有者や管理組合に無償譲渡する方法です。受け手が見つかれば最もシンプルな解決策ですが、管理費の継続負担があるため受け手を見つけることは容易ではありません。まず管理組合に「引き受けてもらえる人を探したい」と相談してみることから始めてください。

なお、国(相続土地国庫帰属制度)への帰属は2023年4月27日に施行されましたが、マンション(区分所有建物)は対象外です(相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律2条)。


よくあるご質問

Q. 相続したリゾートマンションが売れません。どうすればいいですか?
A. 一般仲介では売れ残るケースが多いため、訳あり不動産の買取専門業者への相談が現実的な選択肢です。「0円譲渡」や「費用負担付き引き取り」に対応している業者もあります。まず現状(管理費の滞納額・固定資産税・相続登記の有無)を整理した上でご相談ください。

Q. リゾートマンションの管理費が払えなくなった場合、どうなりますか?
A. 管理費・修繕積立金を滞納すると、管理組合から督促を受けます。6か月以上の滞納が続くと区分所有法59条に基づく競売申立てのリスクがあります。競売になると市場価格をさらに下回る価格で落札されるため、滞納が続く前に専門業者への相談を強くお勧めします。

Q. 相続したリゾートマンションを相続放棄できますか?
A. 相続を知った日から3か月以内であれば、家庭裁判所への申述で相続放棄が可能です(民法915条)。ただし、全相続財産(預貯金・他の不動産など)も同時に放棄することになります。プラスの財産がある場合は慎重な判断が必要です。

Q. リゾートマンションを寄付・無償譲渡することはできますか?
A. 可能ですが、管理費の継続負担があるため受け手を見つけることは難しいのが現実です。相続土地国庫帰属制度(2023年施行)はマンション(区分所有建物)は対象外です。まず管理組合や訳あり専門業者に相談することをお勧めします。

Q. リゾートマンションの相続税評価額はどう計算しますか?
A. 区分所有マンションの相続税評価額は、土地(敷地利用権)と建物の固定資産税評価額をもとに計算します。2024年1月1日以降の相続については「マンション評価の適正化」(国税庁通達改正)が適用され、評価が市場価格に近づくよう変更されています。市場価値がほぼゼロの物件でも評価額が生じる場合があるため、税理士にご確認ください。


まとめ

  • 相続したリゾートマンションは「使わないのに毎月管理費がかかる」という構造が問題の本質
  • 管理費・修繕積立金(月1〜5万円程度)と固定資産税が継続して発生するため、放置は最悪の選択
  • 管理費を6か月以上滞納すると区分所有法59条に基づく競売リスクがある
  • 処分方法は①買取専門業者(0円・費用負担付き含む)、②一般仲介(大幅値下げ)、③相続放棄(3か月以内)、④無償譲渡の4択
  • 相続土地国庫帰属制度(2023年施行)はマンション(区分所有建物)は対象外
  • 一般仲介では動かないケースが多いため、訳あり物件の買取専門業者への早めの相談が最善策

相続不動産の処分全般については相続不動産の処分方法を5パターンで比較もあわせてご覧ください。


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