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空き家の固定資産税を滞納するとどうなる?差押えまでの流れと4つの対処法【2026年版】

八木宏樹(宅地建物取引士・大阪府知事(1)第65646号)|宅地建物取引士・大阪府知事(1)第65646号
固定資産税の督促状と差押え通知書。滞納が続くと差押えまで進む流れを示す

TL;DR(結論): 固定資産税を滞納すると①督促状(1〜2ヶ月後)→②差押予告通知(3〜6ヶ月後)→③差押え執行という流れで進みます。差押えが入ると売却ができなくなります。延滞金は年率8.7%(地方税法)。対処法は「売却・寄付・相続放棄・空き家バンク」の4択です。督促状が届いた時点が最後の早期対応のチャンスです。

Q: 空き家の固定資産税を滞納するとどうなりますか? A: 督促状・催告書が届いた後、差押予告通知→差押え執行へと進みます。差押えが入ると不動産の売却ができなくなります。延滞金は年率最大8.7%(地方税法第65条)で加算されるため、放置するほど負担が増えます。


固定資産税の納付書が届いたが払えない、あるいは気づかないまま放置してしまった——そんな相談が急増しています。特に相続した空き家の場合、誰も住んでいないのに毎年税金がかかり、そのまま滞納に至るケースが少なくありません。

この記事では、滞納から差押えに至るまでの具体的なスケジュール延滞金の計算方法、そして差押えを回避するための4つの対処法を宅建業者の視点で解説します。


滞納から差押えまでの具体的スケジュール

固定資産税の滞納が始まると、以下のステップで手続きが進みます。市区町村によって期間に違いはありますが、大阪市・堺市を含む主要自治体の標準的な流れです。

ステップ①:督促状の送付(納期限から1〜2ヶ月後)

督促状とは、納付期限を過ぎた場合に自治体が送付する公的な催告書面です(地方税法第329条)。受け取ったら「滞納が始まった」という公式な通知であり、この時点で行動しないと次のステップへ進みます。

自治体督促状の目安備考
大阪市納期限後 約1ヶ月各区役所・税務課が対応
堺市納期限後 約1〜2ヶ月各区役所の収納課が対応
東大阪市納期限後 約1〜2ヶ月資産税課
一般市区町村(全国平均)納期限後 1〜2ヶ月地方税法第329条に基づく

出典: 地方税法第329条(督促の規定)・各自治体の滞納整理マニュアル(2025年版)


ステップ②:催告書・差押予告通知(督促から1〜4ヶ月後)

督促状を送付しても未納が続く場合、催告書差押予告通知書が届きます。これは「このまま放置すれば差押えを執行する」という最後通告に相当します。

この段階でも対応しない場合、自治体の収納課は差押えの準備を開始します。差押えの対象は不動産(土地・建物)だけでなく、預貯金・給与・生命保険の解約返戻金なども含まれます。


ステップ③:差押え執行(督促から3〜9ヶ月後)

差押えとは、滞納した税金を強制的に回収するために自治体が財産を仮押さえする手続きです(地方税法第68条)。不動産に差押えが設定されると登記簿に記録され、所有権の移転(売却)ができなくなります

自治体差押えまでの目安(督促後)参考
大阪市3〜4ヶ月滞納整理強化方針(2023年)
堺市4〜6ヶ月収納率向上計画
全国市区町村(標準)3〜9ヶ月総務省「地方税における滞納整理の手引き」(2023年版)

出典: 総務省「地方税における滞納整理の手引き」(2023年改訂版)・大阪市収納対策推進アクションプラン(2024年)

宅建業者の視点: 当社への相談で「督促状が3通届いてから慌てて連絡してきた」というケースが多くあります。督促状1通目が届いた時点が、差押えを回避できる最後のタイミングです。


延滞金の計算例(年率8.7%)

固定資産税を滞納すると、元本に加えて延滞金が加算されます。延滞金の割合は地方税法第65条および附則第3条の2に規定されており、現在の適用割合は以下の通りです。

出典: 地方税法第65条・附則第3条の2(令和5年適用割合)[国税庁・財務省告示]

滞納期間延滞金の年率
納期限翌日〜1ヶ月以内年2.4%
1ヶ月超〜完納まで年8.7%

具体的な計算例

前提: 固定資産税10万円を滞納した場合

滞納期間延滞金計算延滞金額
1ヶ月10万円 × 2.4% × 1/12約200円
3ヶ月(2ヶ月目以降8.7%)200円 + 10万円 × 8.7% × 2/12約1,650円
6ヶ月10万円 × 2.4% × 1/12 + 10万円 × 8.7% × 5/12約3,825円
12ヶ月10万円 × 2.4% × 1/12 + 10万円 × 8.7% × 11/12約8,175円

年間20万円の固定資産税を1年滞納した場合: 約1万6,350円の延滞金が加算されます。

さらに、複数年度の滞納が積み重なると元本の何倍もの延滞金になるケースがあります。たとえば3年間放置すると延滞金だけで数十万円に達することがあります。


実際の滞納相談事例(匿名化)

事例A: 親から相続した大阪市内の空き家(2025年)

状況: 相続人Aさん(60代・会社員)が親の死去後に空き家を相続。遠方在住のため実家に戻れず、固定資産税の納付書が転送されているのを気づかず2年間滞納。差押予告通知が届いてから慌てて相談。

滞納額: 元本 約18万円+延滞金 約2.8万円 = 計約20.8万円

解決策: 差押え前に買取を依頼。売却代金から滞納税・延滞金を一括精算し、残額をAさんが受け取る形で決済。差押え執行を回避。


事例B: 相続放棄を検討した堺市の空き家(2025年)

状況: 相続人Bさん(50代・自営業)が親の空き家と負債を相続。空き家の固定資産税1年分を滞納した段階で相談。「相続放棄できれば滞納税も消えるのでは?」と考えていた。

確認結果: 相続開始から3ヶ月以上経過しており相続放棄は不可。また空き家に特定空き家指定のリスクあり(固定資産税が翌年から最大6倍になる可能性)。

解決策: 買取で所有権を移転。滞納税の精算後、Bさんは今後の税負担から解放された。


4つの対処法の比較

差押えを回避するための主な対処法は以下の4つです。

対処法滞納税の処理期間の目安難易度こんな方に
① 売却(直接買取)売却代金から精算最短2〜4週間物件を手放したい・差押え前に急ぎたい
② 自治体への寄付所有権移転前に精算必要3ヶ月〜1年以上物件に価値があり、市区町村が受理する場合
③ 相続放棄義務を免れる(3ヶ月以内のみ)1〜3ヶ月相続開始直後・負債が大きい場合
④ 空き家バンク登録売却成立後に精算半年〜数年買手が見つかれば有効(見つからないリスクあり)

① 売却(直接買取)—— 最も確実な差押え回避策

固定資産税の問題を根本から解決する最速の方法です。直接買取であれば、売却代金から滞納税・延滞金を精算し、残額を受け取れます。差押えが入る前に動けば、売却の手続きはスムーズに進みます。

  • 差押え前なら最短2〜4週間で決済可能
  • 相続登記が未了でも対応可能(提携司法書士あり)
  • 老朽化・遠方・空室でも現況買取

② 自治体への寄付・空き家バンク

市区町村の「空き家バンク」を通じた寄付・売却も選択肢です。ただし、受け付けてもらえる物件の条件が厳しく(旧耐震・欠陥・境界未確定は対象外になることが多い)、成立まで数ヶ月〜1年以上かかることもあります。滞納税の返済原資として間に合わない場合があります。

③ 相続放棄

相続開始を知った日から3ヶ月以内であれば、家庭裁判所への申述で相続放棄が可能です。固定資産税の滞納義務を含む一切の権利・義務を放棄できます。ただし、プラスの財産(預貯金・別の不動産)も放棄することになる点に注意が必要です。

出典: 民法第938条・民法第940条(相続放棄後の管理義務)

④ 空き家バンクへの登録

空き家バンクとは、市区町村が空き家の情報を一覧で公開し、購入・賃借希望者とマッチングする制度です。成立するまでの期間が長く、緊急の差押え回避には向きません。督促状が届いた後の選択肢としては、タイミングが合わない場合が多いです。

出典: 国土交通省「空き家バンクの取組事例」(2024年版)


「今すぐ相談」が最善解である理由

差押えが入る前に動くことが重要です。督促状1通目が届いた時点で早期相談してください。差押えが登記されると不動産の売却ができなくなります。

固定資産税の問題は、放置するほど選択肢が狭まります。

  • 延滞金が積み重なる(年率8.7%)
  • 差押えが入ると売却不可
  • 特定空き家に指定されると翌年度から固定資産税が最大6倍(詳しくは空き家の固定資産税が最大6倍に
  • 相続放棄の3ヶ月期限が過ぎる

督促状が届いた段階が最後の早期対応のチャンスです。


売却を選んだ場合の流れ(4ステップ)

  1. 無料査定の申込み — 物件情報をLINEまたはフォームで送るだけ
  2. 査定額の提示 — 最短即日〜3営業日でご回答。滞納税の精算見込みも同時に確認
  3. 売買契約の締結 — 相続登記が未了でも対応可能(提携司法書士あり)
  4. 決済・引渡し — 売却代金から滞納税・延滞金を精算。残額を受け取り、翌年度から固定資産税の負担ゼロに

よくある質問(FAQ)

Q. 督促状が届いてから差押えまでどのくらいの時間がありますか?

大阪市・堺市の場合、督促状から差押えまで標準的に3〜6ヶ月程度の猶予があります。ただし、自治体の収納強化方針によっては早まる場合もあります。督促状が届いたら迷わず相談することをお勧めします。

Q. 差押えが入った後でも買取してもらえますか?

差押えが設定された状態でも、買取業者との交渉・滞納税の清算・差押え解除の手続きを同時進行で進められる場合があります。ただし、手続きが複雑になるため、差押え前の相談が望ましいです。

Q. 複数年度の滞納がある場合も対応できますか?

はい、複数年度の滞納がある場合も対応可能です。売却代金から過去の滞納税・延滞金の全額を清算する形で決済します。ご相談いただければ、精算に必要な金額を事前に確認します。


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まとめ

空き家の固定資産税を滞納すると、①督促状(1〜2ヶ月後)→②差押予告(3〜6ヶ月後)→③差押え執行という流れで進みます。差押えが入ると不動産の売却ができなくなるため、督促状1通目が届いた時点での早期行動が最も重要です。

延滞金は年率最大8.7%(地方税法第65条)で加算され、放置するほど負担が増えます。4つの対処法(売却・寄付・相続放棄・空き家バンク)の中で、差押えを最速で回避できるのは直接買取による売却です。

「督促状が届いた」「差押予告通知が来た」という方は、まずは無料でご相談ください。


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執筆・監修: 八木宏樹(宅地建物取引士・大阪府知事(1)第65646号)|空き家のミカタ代表。大阪市を中心に全国の空き家・訳あり不動産の買取を手掛ける。固定資産税滞納・差押え問題を含む相続空き家の売却相談に多数対応。

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