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空き家の固定資産税が6倍に?特定空き家の条件と回避する方法

宅地建物取引士

空き家を放置して「特定空き家」に指定されると、住宅用地の固定資産税の特例(最大6分の1の軽減措置)が解除されます。その結果、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。さらに2023年の法改正で「管理不全空き家」も特例解除の対象に加わり、指定のハードルが下がりました。

この記事では、特定空き家に指定される条件と、固定資産税の増額を回避する具体的な方法を紹介します。

固定資産税の仕組みと住宅用地の特例

まず、なぜ「6倍」になるのかを理解しましょう。

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用されており、固定資産税が減額されています。

区分固定資産税の軽減率都市計画税の軽減率
小規模住宅用地(200㎡以下の部分)評価額の6分の1評価額の3分の1
一般住宅用地(200㎡超の部分)評価額の3分の1評価額の3分の2

この特例が解除されると、固定資産税の計算に使う課税標準額が6倍に戻ります。

大阪市内の具体的な計算例

大阪市内の土地200㎡、固定資産税評価額1,800万円の場合で比較します。

特例あり(通常の住宅用地)

  • 固定資産税:1,800万円 × 1/6 × 1.4% = 約4.2万円
  • 都市計画税:1,800万円 × 1/3 × 0.3% = 約1.8万円
  • 合計:約6.0万円/年

特例なし(特定空き家に指定後)

  • 固定資産税:1,800万円 × 1.4% = 約25.2万円
  • 都市計画税:1,800万円 × 0.3% = 約5.4万円
  • 合計:約30.6万円/年

差額は年間約24.6万円。5年放置すると約123万円の追加負担になります。

宅建士の視点:当社に相談に来られる方の中には、この税負担の増加を知らないまま数年間空き家を放置していたケースが少なくありません。特に遠方にお住まいで実家の状態を確認できていない方は、早めに対策を検討されることをおすすめします。

特定空き家の4つの判断基準

空家等対策特別措置法では、以下の4つの状態のいずれかに該当する空き家を「特定空き家」に指定できると定めています。

①倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

  • 建物の基礎に著しい不同沈下がある
  • 柱・梁が腐食・破損し、倒壊の危険がある
  • 屋根・外壁が脱落・飛散するおそれがある

②著しく衛生上有害となるおそれのある状態

  • ごみの不法投棄や放置により悪臭が発生している
  • 害虫・害獣(ネズミ・ハクビシン等)が繁殖している
  • アスベストが飛散するおそれがある

③適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

  • 窓ガラスが割れたまま放置されている
  • 外壁の落書きが放置されている
  • 庭の樹木が繁茂し、道路にはみ出している

④周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態

  • 不審者の侵入が疑われる
  • 枝折れ、落雪で通行人に危険がある
  • 動物の糞尿被害が近隣に及んでいる

2023年法改正:「管理不全空き家」の新設

2023年12月に施行された法改正により、「管理不全空き家」というカテゴリが新設されました。これは特定空き家の一歩手前の状態の空き家を指します。

管理不全空き家に指定され、市区町村からの勧告を受けると、特定空き家と同様に住宅用地の特例が解除されます。

つまり、「まだそこまでひどくないから大丈夫」とは言えなくなりました。窓ガラスが1枚割れている、庭の雑草が伸び放題、といった状態でも管理不全空き家に指定される可能性があります。

固定資産税6倍を回避する方法

方法①:最低限の管理を行う

特定空き家・管理不全空き家に指定されないためには、定期的な管理が必要です。

  • 月1回程度の換気・通水(水を流す)
  • 年2〜3回の草刈り・庭木の剪定
  • 外壁や屋根の破損箇所の早期修繕
  • ポストの郵便物の回収

自分で管理できない場合は、空き家管理サービスの利用も検討してください。月額5,000〜15,000円程度で、巡回・換気・通水・清掃などを代行してもらえます。

方法②:売却する

管理の手間とコストを考えると、売却が最も合理的な選択肢になるケースが多いです。空き家の売却や活用の選択肢については空き家の選択肢ガイドで整理しています。建物の状態が良くない場合でも、「古家付き土地」として売却できる可能性があります。大阪市内であれば土地の需要があるため、更地にしなくても買い手が見つかることが珍しくありません。

方法③:解体して更地にする

建物を解体して更地にすることで、特定空き家に指定されるリスクをなくせます。ただし注意点があります。

  • 解体費用の相場:木造住宅で坪4〜6万円(30坪の家なら120〜180万円
  • 更地にすると住宅用地の特例がなくなるため、固定資産税は上がる
  • 解体後は速やかに売却するのが得策

宅建士の視点:解体前に必ず不動産会社に相談してください。古い建物でも「リノベーション前提の購入希望者」がいる場合は、解体せずにそのまま売却した方が手元に残る金額が多くなることがあります。当社では解体の要否も含めて最適な売却方法をご提案しています。

大阪市の空き家対策と相談窓口

大阪市は空き家対策に積極的に取り組んでおり、以下の窓口で相談が可能です。

大阪市内の空き家は約27.7万戸(2023年住宅・土地統計調査)にのぼり、対策の重要性が年々増しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 特定空き家にはいつ指定されますか?突然ですか?

いきなり指定されるわけではありません。一般的には、①近隣からの通報や行政のパトロール → ②立入調査 → ③助言・指導 → ④勧告 → ⑤命令 → ⑥行政代執行という段階を踏みます。住宅用地の特例が解除されるのは「勧告」の段階からです。助言・指導の段階で改善すれば、指定を免れることができます。

Q. 近所の人が通報したら指定されてしまいますか?

近隣からの通報は行政が調査を始めるきっかけの一つにはなりますが、通報だけで指定されることはありません。行政職員が現地を確認し、上記の4つの基準に照らして判断します。ただし、2023年の法改正後は管理不全空き家の基準が加わったため、以前より指定されやすくなっているのは事実です。

Q. 一度指定されたら解除はできますか?

特定空き家や管理不全空き家の指定は、指摘された状態を改善すれば解除されます。具体的には、建物の修繕、敷地内の清掃・草刈り、危険箇所の除去などを行い、市区町村の確認を受けます。改善が認められれば勧告が取り消され、住宅用地の特例も翌年度から復活します。


合同会社アルシェでは、空き家の売却や活用方法のご相談を無料でお受けしています。固定資産税の負担が心配な方は、まずは現状をお聞かせください。

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