空き家のミカタ

相続した実家の解体費用が払えない|補助金・現況買取で費用ゼロで手放す3つの方法

空き家のミカタ編集部|宅地建物取引業者(大阪府知事(1)第65646号)

Q: 相続した実家の解体費用が払えない場合どうすればいいですか? A: 解体費用(木造30坪で90〜150万円)を用意できない場合でも、①自治体の老朽危険空き家解体補助金(費用の1/2〜2/3を補助)②解体不要の現況買取(費用ゼロで手放し可能)③古家付き土地売却(買主が解体費負担)という3つの選択肢があります。最も早く・費用をかけずに解決できるのが「現況買取」で、最短2〜4週間で売却できます。

結論:解体費用がなくても、相続した実家は売ることができます。老朽化・空き家状態の物件でも現況のまま買取に出せば、解体費用は業者が負担します。売主の自己負担は0円です。

「相続した実家を処分しようとしたら、解体費用が100万円以上かかると業者に言われた」というご相談は少なくありません。突然の相続で現金が少ない状態での数百万円の出費は、多くの方にとって大きな障壁になります。

解体せずに放置し続けると、特定空家に指定されて固定資産税が最大6倍に増額されるリスクや、建物が倒壊して近隣に損害を与えた場合の賠償リスクが高まります。

この記事では、解体費用が払えない場合に取れる3つの方法を、費用・期間・メリット・デメリットで整理してお伝えします。

相続した実家の解体費用の相場を知る

まず解体費用の相場を把握しておきましょう。

老朽化した空き家・実家の外観 解体費用が払えない場合の対処法

構造・規模別の解体費用目安

構造延床面積解体費用の目安
木造(在来工法)20〜30坪90〜150万円
木造(在来工法)30〜40坪150〜200万円
鉄骨造30〜40坪200〜300万円
RC(鉄筋コンクリート)造30〜40坪300〜450万円

上記は建物本体の解体費用の目安です。以下の追加費用が発生するケースがあります。

  • アスベスト(石綿)除去費用: 1975年以前の建物、または1980年代まで一部の建物ではアスベスト含有建材が使われていた可能性があります。調査費(5〜20万円)+除去費(数十万〜100万円以上)が追加になります
  • 残置物の処分費用: 家具・家電・衣類などが残っている場合、処分費として5〜30万円程度が別途かかることがあります
  • ブロック塀・土間コンクリートの撤去費用: 5〜20万円程度

解体費用を払えない3つのよくある状況

次のようなケースで「解体費用が用意できない」とご相談いただくことが多くあります。

  1. 相続で現金の手持ちがほとんどない: 被相続人の預貯金が少なく、相続した不動産だけが残った
  2. 兄弟間で費用負担の合意ができない: 共有名義の物件で誰が費用を出すかでもめている
  3. 年金生活者で一時的な高額出費が難しい: 毎月の収入は安定しているが数百万円の一括払いが難しい

解体費用を払えないまま放置し続けると、固定資産税の増額リスクと近隣への損害賠償リスクが毎年高まっていきます。特定空家に指定されると固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)が外れ、最大6倍の税負担になることがあります。詳しくは「特定空き家に指定される前に確認|固定資産税6倍化の判定チェックリスト」をご覧ください。

解決策1: 自治体の「老朽危険空き家解体補助金」を活用する

多くの市区町村が、老朽化・危険な空き家の解体費用を補助する制度を設けています。

補助金申請書類のイメージ 老朽危険空き家解体補助金制度

補助金制度の概要

項目内容
補助対象「老朽危険空き家」と自治体が認定した建物
補助率解体費用の1/2〜2/3(自治体によって異なる)
補助上限額50万〜100万円(自治体によって異なる)
申請窓口市区町村の建築指導課・まちづくり課・空き家対策課など
申請時期年度内先着順(4〜8月頃が多い)

たとえば木造30坪の解体費用が120万円の場合、補助率2/3・上限80万円の自治体であれば、自己負担は40万円(120万円−80万円)になります。

補助金申請の注意点

補助金には以下の条件と制限があります。

  • 認定審査が必要: 自治体の職員が現地調査を行い、倒壊リスクを点数で判定します。老朽化が深刻でないと認定されないこともあります
  • 年度予算に上限あり: 予算が尽きると当年度は受付終了となるため、早めの申請が重要です
  • 手続きに時間がかかる: 申請〜審査〜工事完了〜補助金交付まで3〜6ヶ月程度かかるのが一般的です
  • 相続登記が完了していることが前提: 所有者として申請できる状態(相続人名義への登記完了)が必要なことが多いです
  • 境界確定が必要な場合がある: 隣地との境界が未確定の場合、申請を受け付けない自治体もあります

補助金の調べ方

物件所在地の市区町村のウェブサイトで「老朽危険空き家 解体 補助金」と検索するか、まちづくり課・建築指導課・空き家対策課に電話で問い合わせてください。制度がない自治体もありますが、近年は多くの自治体が導入しています。

現場からのひとこと: 補助金申請から工事完了まで3〜6ヶ月かかる間も、固定資産税は発生し続けます。時間的な余裕があるかどうかを先に確認したうえで、補助金申請か現況買取かを判断することをお勧めします。なお、「補助金を申請しながら現況買取の査定も並行して進める」という方法も有効です。

解決策2: 解体不要の「現況買取」で費用ゼロで手放す

費用をかけずに最短で手放したい方に最も選ばれているのが「現況買取」です。

解体工事現場のイメージ 現況買取後の解体は買取業者が対応

現況買取とは

現況買取とは、建物を解体せず現在の状態のまま買取業者が購入する方法です。買主(業者)が解体・整地・建替えのコストをあらかじめ計算して買取価格を提示するため、売主は解体費用を一切負担しません

項目内容
解体費用の負担売主の負担なし(買取価格に解体費用が織り込まれる)
売却までの期間最短2〜4週間(査定〜契約〜引渡し)
対応可能な物件状態老朽化・雨漏り・残置物あり・空き家・未登記も相談可
仲介手数料なし(直接買取のため)
相続登記売却前に完了が必要(未登記の場合は相談)

現況買取の流れ

  1. 買取業者に査定を依頼(無料・物件の状況を伝えるだけ)
  2. 現地確認後に買取価格の提示を受ける
  3. 価格に納得できれば売買契約を締結
  4. 引渡し(鍵の受け渡し)で完了。代金は即日〜翌週内に入金

現況買取の注意点

解体費用が買取価格に反映されるため、更地にした場合の売却価格より低くなります。ただし、自分で解体費用を負担した場合と比べると、トータルの手残りが多くなることもあります。必ず複数の買取業者から査定を取り、価格を比較することをお勧めします。

現況買取について詳しくは「空き家の買取|放置している空き家を現金化する方法」もご覧ください。

解決策3: 「古家付き土地」として仲介売却する

解体費用を買主に負担してもらう形で、古家付き土地として一般の不動産市場で売却する方法もあります。

古家付き土地売却の仕組み

買主が「建物を自分で解体して土地を使う」前提で購入するため、売主は解体費用を負担しません。売却価格は「土地の評価額から解体費用相当額を差し引いた金額」で交渉するのが一般的です。

項目内容
解体費用の負担買主が負担(売却価格で調整)
売却価格土地値から解体費用相当を差し引いた金額
売却までの期間3〜12ヶ月(買主が見つかるまで時間がかかることも)
仲介手数料成立時に発生(売却価格×3%+6万円+税が上限)

古家付き土地売却が向いているケース

  • 駅から徒歩10分以内など、土地への需要が見込める立地
  • 建物の老朽化が軽度で、危険な状態ではない
  • 売却まで数ヶ月〜1年の時間的余裕がある

老朽化が著しい物件や、農村部・郊外など土地の需要が少ないエリアでは買主が見つかりにくいため、現況買取の方が現実的な場合が多いです。

解体すべきかどうかの判断については

「解体して更地にして売るか、古家付きで売るか」の判断基準については「古い家は更地にして売るべき?解体費用と判断基準を宅建業者が解説」で詳しく解説しています。

3つの方法を費用・期間で比較する

方法解体費用の自己負担売却価格の水準売却期間向いている状況
補助金+更地売却一部負担(50万円程度)高め(更地価格)長い(6〜12ヶ月以上)時間的余裕があり、できるだけ高く売りたい方
現況買取負担なしやや低め(解体費込み)最短2〜4週間早く・費用ゼロで手放したい方
古家付き土地売却負担なし中間中程度(3〜12ヶ月)駅近など土地需要があり時間的余裕もある方
相続放棄負担なしプラスの財産が少なく、期限内(3ヶ月以内)に判断できる方

相続放棄という選択肢について

「解体費用を払いたくないから相続放棄する」というご相談も受けます。相続放棄には以下の注意点があります。

  • 3ヶ月以内の期限: 相続放棄は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所への申述が必要です。期限を過ぎると原則として放棄できません
  • 全財産の放棄: 不動産だけを選んで放棄することはできません。預貯金・有価証券・現金などプラスの財産もすべて放棄することになります
  • 管理義務が残る場合がある: 相続放棄後も「現に占有・管理している」場合、次の相続人が管理を始めるまで一定の管理義務が残ります(民法940条)

プラスの財産が少なく、解体費用・維持コストだけが残る場合の最終手段として検討できますが、弁護士・司法書士への事前相談をお勧めします。

固定資産税が払えない場合の選択肢については「空き家の固定資産税が払えないとき|分納・減免・売却・相続放棄の4つの選択肢」もあわせてご覧ください。

関連するガイド記事

まとめ

相続した実家の解体費用が払えない場合の選択肢は3つです。

  1. 自治体の老朽危険空き家解体補助金: 費用の1/2〜2/3を補助(上限50〜100万円が多い)。申請〜工事完了まで3〜6ヶ月かかる
  2. 解体不要の現況買取: 費用ゼロ・最短2〜4週間で手放せる。解体費は業者負担
  3. 古家付き土地売却: 買主が解体費を負担。駅近など土地需要があるエリアに向いている

どの方法が適しているかは、物件の状態・立地・相続の状況・時間的余裕によって変わります。まずは無料の現況査定から始めることで、具体的な数字を比べて判断できます。


「解体費用が払えない。でも早く手放したい」方へ

「空き家のミカタ」では、老朽化・雨漏り・残置物あり・空き家状態の物件も現況のまま買取しています。解体費用は一切不要です。査定・相談は無料で、匿名のままご相談いただけます。

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