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相続した農地・山林を手放す方法|農地法の制約と4つの選択肢

宅建業者|宅建業者

相続した農地や山林は、「農地法の壁があって売れない」と思われがちですが、実は複数の手放す方法があります。 農業をするつもりがない、管理する余裕がない、固定資産税を払い続けるのが辛い、という方のために宅建業者がわかりやすく解説します。

農地・山林の処分 — まとめ

  • 農地のまま売る:農業委員会の許可(農地法第3条)が必要。買主も農家・農業法人に限られる
  • 転用して売る:農地法第4条・第5条の許可が必要。宅地・駐車場にすれば一般向けに売却可
  • 農地バンクに貸す:農地中間管理機構を通じて農家に貸し出し。売却ではないが管理負担から解放
  • 国庫帰属:相続土地国庫帰属制度(2023年施行)で国に引き取ってもらう。負担金あり
  • 山林:専門業者・森林組合・国庫帰属制度を活用

この記事では、農地・山林を相続したが農業をする予定がない方に向けて、具体的な手放し方と注意点を解説します。

こんなお悩みはありませんか?

  • 親から農地(田んぼ・畑)を相続したが、農業をするつもりがない
  • 山林を相続したが、管理する時間も体力もない
  • 不動産会社に相談したら「農地は扱えない」と断られた
  • 固定資産税は安いが、草刈り費用や管理費用が毎年かかる
  • 農地を放置していたら耕作放棄地になってしまった
  • 相続放棄を考えているが、他の財産まで失うのは困る

農地や山林の相続は、一般の住宅・土地とは別の法律(農地法・森林法)が絡むため、普通の不動産会社では「扱えない」と断られることがあります。しかし、正しい手順を踏めば手放す方法は必ずあります。

農地・山林の相続でよくある問題

農地法という「壁」

農地(田んぼ・畑)の売却・賃貸・転用には、農地法に基づく農業委員会または都道府県知事の許可が必要です。

  • 農地のまま売る場合(農地法第3条許可):買主が農業委員会に許可申請。農家・農業法人以外は原則取得不可
  • 農地を宅地等に転用する場合(農地法第4条・第5条許可):農業委員会経由で都道府県知事が審査。市街化区域内農地は届出のみ

この許可制度のために「農地は売れない」と思い込んでいる方が多いのですが、手順を踏めば売ることは可能です。

山林の流通が少ない

山林(森林)は農地以上に市場が薄く、買い手を見つけるのが難しいのが実情です。管理費用がかかる一方、収益を得るためには林業の専門知識が必要です。

放置すると管理責任が残る

相続した農地・山林を放置しても、所有者の管理責任はなくなりません。第三者に損害を与えた場合(倒木・土砂崩れなど)に損害賠償を求められるリスクがあります。


相続した農地(田んぼ・畑)。農地法の許可を受ければ売却・転用が可能

農地を手放す4つの方法

方法1:農地のまま売却する(農地法第3条)

農地を農地のまま第三者に売却する場合は、農業委員会の許可(農地法第3条)が必要です。

メリット

  • 転用工事が不要でシンプル
  • 農業用地として地域農家に引き継いでもらえる

デメリット

  • 買主が農家・農業法人に限られ、買い手が見つかりにくい
  • 売却価格は低くなりやすい

手順の流れ

  1. 地域の農業委員会に相談
  2. 買主(農家・農業法人)を探す
  3. 農業委員会に許可申請(原則、買主が申請主体)
  4. 許可後、売買契約・移転登記

方法2:農地を転用して売却する(農地法第4条・第5条)

農地を住宅地・駐車場・太陽光パネル用地などに転用してから売却する方法です。転用後は農家以外にも売れるため、買い手が大幅に広がります。

転用できる農地の区分

農地区分転用の手続き
市街化区域内農地農業委員会への届出のみ(比較的簡単)
農用地区域(農振農地)外の農地農業委員会経由で知事許可が必要
農用地区域(農振農地)内の農地農振除外→転用許可の二段階。数年かかるケースも

費用の目安

  • 造成費:数十万円〜数百万円(広さ・地形による)
  • 申請費用:行政書士への依頼で5〜20万円程度

転用後は一般向けに売却でき、宅建業者に仲介や買取を依頼することも可能です。

方法3:農地バンク(農地中間管理機構)に貸す

農地中間管理機構(農地バンク)は、農地を「貸したいが相手が見つからない」場合に活用できる公的機関です。各都道府県に1つ設置されています。

メリット

  • 借り手探しを農地バンクが代行
  • 貸している間は固定資産税の軽減措置がある場合も
  • 将来的に農地として利用する選択肢を残せる

デメリット

  • 売却ではないため、まとまった現金は入らない
  • 借り手が見つからないエリアもある

お近くの農業委員会か農地中間管理機構の窓口に相談するとよいでしょう。

方法4:相続土地国庫帰属制度で国に引き渡す

2023年4月27日に施行された相続土地国庫帰属制度を使えば、一定の要件を満たした農地を国庫に帰属させることができます。

利用できる人:相続または遺贈で土地を取得した人(売買取得者は不可)

農地が申請できない主な要件(却下・不承認事由):

  • 建物・工作物がある農地
  • 土壌汚染が確認されている農地
  • 境界が明らかでない農地
  • 担保権・使用収益権が設定されている農地
  • 争いが生じている農地

負担金の目安:一般農地は20万円(面積等により変動)

手続き:法務局に申請書を提出。法務局・農業委員会が審査し、承認後に負担金を納付して国に移転します。


相続した山林・森林。森林組合や相続土地国庫帰属制度を活用して手放すことができる

山林を手放す方法

山林(山・森)を相続した場合、主に以下の4つの方法を検討します。

1. 山林専門の業者・個人に売却する

山林には山林専門のマーケット(山林バンク等のウェブサービス)があります。趣味の山林として・狩猟・キャンプ場用地として需要があることもあります。ただし、立地・広さによって価格は大きく異なり、山間部の山林は低価格になる場合がほとんどです。

2. 隣接する山林オーナーや林業会社に打診する

隣接する山林を所有している個人・法人が、境界を拡張するために購入することがあります。地域の森林組合に相談すると、候補者を紹介してもらえる場合があります。

3. 相続土地国庫帰属制度の活用

山林にも農地と同様に相続土地国庫帰属制度が適用されます。負担金は面積に応じて算定されます(森林の場合、単位面積あたりの基準額×面積で計算)。

4. 市町村・森林組合への寄付

一部の市町村や森林組合では、管理困難な山林の寄付を受け付けています。ただしすべての自治体で受け付けているわけではなく、受け付ける場合でも条件があります。まず市町村の林務担当窓口に相談してみましょう。


農地・山林の相続に必要な書類。登記簿謄本・固定資産税通知書・農地法許可申請書など

相続放棄はリスクがある

農地・山林だけを手放したいという場合、「相続放棄」は最後の手段です。相続放棄をすると農地・山林以外のプラスの財産(預金・建物・宅地等)もすべて失うからです。

また、相続放棄後も次の相続人が見つかるまで管理義務が残ることがあります(民法第940条)。放棄しても即座に管理責任がなくなるわけではありません。

相続放棄の申立期限は相続の開始を知った日から3か月以内(家庭裁判所への申立)です。

農地・山林の相続で宅建業者に相談できること

宅建業者(当社)は農地・山林の直接買取はできませんが、以下についてご相談いただけます。

  • 農地に隣接する宅地・建物の買取
  • 農地転用後の土地・建物の買取
  • 農地・山林の処分方法についての情報提供・専門家紹介(農業委員会、行政書士、林務担当窓口等)
  • 農地・山林が相続財産の一部に含まれる場合の、その他の不動産(建物・宅地等)の買取

「農地もあるけど、実家(建物)も一緒に処分したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。状況を整理した上で、対応できる部分と専門家を紹介できる部分を分けてご案内します。

まとめ:農地・山林の処分方法一覧

処分方法こんな人に向いている費用目安
農地のまま売却(農地法第3条)近隣に農家がいる申請費用のみ
転用して売却(農地法第4条・第5条)市街化区域内・転用可能地域造成費+申請費5〜20万円
農地バンクに貸す売らずに管理から解放されたい原則無料
相続土地国庫帰属要件を満たす農地・山林負担金20万円〜
山林を専門業者に売却立地がよい・広大な山林仲介手数料等

農地・山林の処分は普通の不動産売却より複雑ですが、放置するのが一番のリスクです。固定資産税・管理費・損害賠償リスクが積み重なる前に、まずはご相談ください。

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農地・山林の処分に迷ったら、まずご相談ください

農地・山林は「一般の不動産会社では扱えない」と断られることも多いですが、当社では状況を整理してどの窓口に相談すればよいかまで、無料でご案内します。「何から始めればいいかわからない」という段階でも構いません。

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