空き家のミカタ

祖父・父名義のまま放置された不動産を売却する方法|数次相続の登記と買取【2026年版】

空き家のミカタ編集部|宅地建物取引業者(大阪府知事(1)第65646号)
古い日本家屋の外観 祖父・父名義のまま放置された不動産のイメージ

「登記簿を確認したら、土地の名義が祖父のままになっていた」——相続の整理をきっかけにこのような状況に気づいた方からの相談が増えています。長年放置していたわけではなく、単純に手続きを後回しにしていたり、「誰かがやってくれているはず」と思っていたりするうちに、相続が2回・3回と重なってしまったケースです。

このような状態を「数次相続」と呼びます。登記が複雑になりますが、適切に手続きを進めれば売却は可能です。2024年4月に相続登記が義務化されたことで、放置していると過料の対象にもなるため、早急な対応が求められます。

この記事では、数次相続の仕組み・登記手続きの流れ・費用と期間・買取業者を活用した早期解決の方法について解説します。

目次

  1. 数次相続とは何か
  2. 数次相続の不動産が売却しにくい3つの理由
  3. 2024年相続登記義務化と数次相続の対応期限
  4. 数次相続の登記手続き(戸籍収集・費用・期間)
  5. 売却する2つの選択肢(仲介 vs 買取)
  6. よくあるご質問

数次相続とは何か

積み重なった書類 数次相続の戸籍謄本収集や登記書類のイメージ

数次相続とは、ある相続(例:祖父の死亡)が完了しないうちに、次の相続(例:父の死亡)が発生した状態を指します。

わかりやすい例として、以下のようなケースがあります。

時系列出来事
1985年祖父が死亡。土地を残す
1985年〜相続登記をしないまま父が管理を続ける
2019年父が死亡。土地の登記名義はまだ祖父のまま
2026年あなたが相続人として整理しようとする

この場合、あなたが土地を売却するには、①祖父から父への相続登記と②父からあなたへの相続登記、の2段階をまとめて処理する必要があります。

単純な相続との違い

通常の相続登記(1世代)と比べると、数次相続は「遡るべき期間が長くなるほど、必要な書類と手続きの複雑さが増す」という特徴があります。

項目通常の相続(1代)数次相続(2代)
戸籍収集の範囲被相続人1名分被相続人2名分(祖父+父)
遺産分割協議書1通代ごとに作成が必要な場合あり
司法書士費用目安5〜10万円8〜20万円(案件による)
登記完了までの期間1〜2か月2〜4か月(戸籍収集次第)

数次相続の不動産が売却しにくい3つの理由

理由1:登記名義人が死亡しているため買主がローンを組めない

不動産売却では、売主が「登記簿上の所有者」である必要があります。祖父名義のまま売りに出そうとしても、買主が住宅ローンを申し込む際に金融機関から「名義変更を先に完了させてください」と求められるのが通常です。登記が完了していない物件は市場での売却が実質的に難しい状況です。

理由2:相続人の数が増えて全員の合意が取りにくくなる

数次相続が発生すると、相続人が多人数になりやすくなります。祖父の相続人(祖母・叔父・叔母等)と、さらにその中の一人(父)の相続人(あなた・兄弟姉妹等)が複数絡むと、遺産分割協議に全員の印鑑と書類が必要になります。

疎遠になった親族や、すでに高齢で判断能力が低下した方がいると、合意取得に時間がかかります。

理由3:必要な戸籍が古く収集に手間がかかる

数次相続の相続登記では、各被相続人(祖父・父等)の「出生から死亡までの連続した戸籍謄本」が必要です。昭和・大正時代の古い戸籍は、現在のようなデジタル化されていないケースもあり、本籍地の市区町村役場に郵送請求する必要があります。戸籍が複数の自治体にわたると、収集だけで1〜2か月かかることも珍しくありません。


2024年相続登記義務化と数次相続の対応期限

2024年4月1日に施行された改正不動産登記法(第76条の2)により、相続で不動産を取得した場合は「相続を知った日から3年以内」に登記申請する義務が生まれました。怠った場合は10万円以下の過料の対象になります。

数次相続の場合、この義務は以下のように適用されます。

ケース対応期限
2024年4月1日以降に発生した相続相続を知った日から3年以内
2024年4月1日より前に発生した相続2027年3月31日まで(施行日から3年の猶予期間)

宅建業者の視点
「2027年3月31日まで猶予があるから急がなくていい」と考えがちですが、数次相続は戸籍収集だけで2〜3か月かかることがあります。余裕を持って今から動き始めることをお勧めします。


数次相続の登記手続き(戸籍収集・費用・期間)

不動産の専門家との相談 司法書士との打ち合わせイメージ

手続きの流れ

  1. 登記簿謄本を取得して現在の名義と登記状況を確認
  2. 司法書士に相談(戸籍収集・遺産分割協議書作成を依頼)
  3. 各被相続人の出生〜死亡の戸籍を収集
  4. 相続人全員で遺産分割協議書に署名・捺印
  5. 登記申請(法務局に申請書類一式を提出)
  6. 登記完了(登記識別情報の交付)

費用の目安(2代の数次相続・1物件の場合)

費用項目目安
司法書士報酬8〜15万円
登録免許税固定資産評価額 × 0.4%
戸籍取得・郵送費用5,000〜2万円
合計目安10〜25万円(物件評価額による)

登録免許税は物件の固定資産税評価額によって大きく変わります。評価額1,000万円の物件であれば4万円、3,000万円であれば12万円になります。

数次相続の「中間省略登記」に注意

2代にわたる場合、「祖父→父」の登記をスキップして直接「祖父→孫(あなた)」に移すことを「中間省略登記」と呼びます。ただし、中間省略登記は現在の法令上、原則として認められていません。正式には代ごとに登記を行う必要があります(ただし、特定の条件下では一括申請が認められるケースもあります。司法書士に確認してください)。


売却する2つの選択肢(仲介 vs 買取)

選択肢1:相続登記を完了させてから仲介で売る

登記が完了すれば、通常の仲介売却と同じ手順で市場に売り出すことができます。

  • 市場価格に近い金額での売却が期待できる
  • ただし、売却完了まで3〜6か月以上かかることが多い
  • 仲介手数料(売却価格の3.3%+6.6万円・税込)が発生する

選択肢2:買取専門業者に相談して登記と売却を同時進行する

訳あり物件(相続・権利関係が複雑な物件等)の買取を専門とする業者なら、登記手続き中の段階でも査定・相談に対応することができます。

  • 提携司法書士を通じた登記手続きのサポートが受けられる
  • 登記費用を売却代金から精算できる場合がある
  • 仲介手数料がかからない(直接買取のため)
  • 登記完了後、最短2〜4週間で現金化できる
仲介売却買取(訳あり専門業者)
売却価格市場価格に近い市場価格の60〜80%程度
現金化まで3〜6か月以上登記完了後2〜4週間
仲介手数料ありなし
登記サポート原則なしあり(提携司法書士)
登記費用の精算自己負担売却代金から精算可能な場合あり

急いで現金化したい場合や、相続人が多くて手続きを一人で進めるのが難しい場合は、買取専門業者への相談が有効な選択肢です。


よくあるご質問

Q. 祖父名義のまま何十年も放置されている土地を売ることはできますか?
A. 売却は可能です。ただし、まず「数次相続の登記」を完了させる必要があります。祖父→父→あなたの順で相続が発生している場合、すべての相続をまとめて登記できる方法もあります。登記が完了すれば通常の売却手続きを進められます。訳あり物件の買取専門業者であれば、登記手続きのサポートをしながら売却を進められるケースもあります。

Q. 数次相続の相続登記はどこに依頼すればいいですか?費用はいくらかかりますか?
A. 司法書士に依頼するのが一般的です。費用は相続の代数・相続人の人数・物件数によって異なりますが、2代にわたる数次相続で1物件あたり司法書士報酬8〜15万円程度が目安です。これに登録免許税(固定資産評価額×0.4%)が加わります。

Q. 2024年の相続登記義務化は、祖父名義のまま放置してきた土地にも適用されますか?
A. はい、適用されます。2024年4月1日より前に発生した相続にも遡って適用され、猶予期間は2027年3月31日まで(施行日から3年)となっています。祖父名義のまま長年放置していた場合でも、早急に手続きを進めることをお勧めします。

Q. 相続人の一部が連絡取れない・行方不明でも登記できますか?
A. 全相続人の合意(遺産分割協議)が原則必要ですが、行方不明の相続人がいる場合は「不在者財産管理人」の選任(家庭裁判所)が必要になります。まずは司法書士にご相談ください。

Q. 数次相続の不動産は買取業者に相談できますか?登記が完了していなくても査定してもらえますか?
A. はい、相談・査定は登記完了前でも可能です。訳あり物件の買取専門業者であれば、数次相続の状況を把握したうえで提携司法書士の紹介・登記サポートを含めてワンストップで対応するケースがあります。


まとめ

祖父・父名義のまま放置された数次相続の不動産は、手続きが複雑ではありますが、売却は可能です。

  • 数次相続とは、複数の相続が連続して発生し、登記が未完了のまま次の相続が始まった状態
  • 売却前に、代ごとの相続登記を完了させる必要がある
  • 2024年4月に義務化(不動産登記法76条の2)。2027年3月末が猶予期限
  • 司法書士に依頼すれば2〜4か月程度で完了できることが多い
  • 買取専門業者なら、登記サポートを受けながら売却を一本化できる

数次相続の登記手続きと売却は、一人で進めようとすると時間も手間もかかります。まず専門家に相談して、現状を整理することから始めてください。

関連記事として、相続登記義務化の完全対応ガイド【2026年版】相続した不動産の売り方 完全ガイドも合わせてご覧ください。


このカテゴリの全ガイド一覧: → 相続不動産 完全ハブ【2026年版】


無料査定・ご相談はこちら

数次相続で名義が祖父・父のままになっている不動産の処分でお困りの方のご相談をお受けしています。登記手続きの状況・相続人の範囲・売却希望のスケジュールなどをお知らせいただければ、最適な進め方をご提案します。査定・相談は無料で、しつこい営業は行いません。

LINEで無料相談(即日対応) お問い合わせフォーム

まずは無料査定で概算を確認する →

相続不動産の出口戦略 — 完全ガイド

相続登記を放置した実家、まだ売れる?罰則が始まった今、3つの選択肢を宅建業者が解説【2026年版】

関連する売却ガイド

ご相談はこちら

相続・空き家・訳あり不動産のお悩み、
状況だけでもお聞かせください

相談だけで大丈夫です。売るかどうか決まっていなくても構いません。 しつこい勧誘や営業電話は一切いたしません。

1

友だち追加

下のボタンを押すだけ。登録情報の入力は不要です

2

状況を送る

物件の場所と状況を、わかる範囲で送ってください。写真があればより正確です

3

代表が返信

買取できるか・いくらくらいかを、代表の八木が原則24時間以内にお答えします

LINEで無料相談する

友だち追加後、トークで話しかけてください(24時間受付)

代表の八木 宏樹が直接対応します

合同会社アルシェ(宅建業免許: 大阪府知事(1)第65646号)

メール: info.arshe@arshe-corp.com

相談・査定 無料 秘密厳守 全国対応 しつこい勧誘なし
LINEで無料相談 無料AI査定 60秒・入力3項目