空き家のミカタ

固定資産税の第1期納付書が届いた|空き家をどうするか3つの選択肢と年間コスト比較【2026年版】

空き家のミカタ編集部|宅地建物取引業者(大阪府知事(1)第65646号)

まずここだけ読んでください

  • 6月20日前後に届くのは「第1期の納付書」。今年分の固定資産税のうち最初の1回分です
  • 空き家を持ち続ける限り、この支払いは毎年続きます
  • 選択肢は3つ:①払い続ける ②減免・猶予を申請する ③売却(買取)で手放す
  • 特定空き家に指定されると翌年度から税額が最大6倍になるリスクがあります
固定資産税の納付書と電卓。空き家の税金支払いをどうするか検討している場面

毎年6月、ポストに入っている封筒を見て「また来た…」と思う方は少なくないはずです。

固定資産税の第1期納付書。相続した空き家や処分に困っている物件をお持ちの場合、この封筒は「今年もこのままでいいのか」を改めて考えるタイミングです。

この記事では、納付書が届いた今、空き家をどうするか——3つの選択肢と年間コストシミュレーションを、できる限りわかりやすくお伝えします。


「通知書」と「納付書」の違い|今届いているのはどちら?

まず確認しておきたいのが、届いた書類の種類です。

書類名届く時期内容
納税通知書(通知書)4〜5月頃年間の固定資産税・都市計画税の課税明細。評価額・税額・4期分の納期限が記載
第1期の納付書(払込用紙)6月上旬〜中旬第1期分の税額と「6月20日」前後の納期限が記載された支払い用の書類

今ポストに届いているのは「第1期の納付書(払込用紙)」です。納期限は自治体によって異なりますが、大阪市の場合は6月30日が第1期の期限です。

「4〜5月の通知書はもう払った」という方は、今届いているのは第1期の支払い期限を知らせる書類です。

今年から金額が上がっていた場合は要注意

昨年と比べて税額が大きく上がっている場合、以下の可能性があります。

  1. 住宅用地特例の縮小・解除(特定空き家・管理不全空き家への指定・勧告)
  2. 土地・建物の評価額の見直し(3年ごとの評価替え。2024年は評価替え年)
  3. 建物の解体・撤去後の更地化(住宅用地特例が外れる)

10%以上増えていた場合は、封筒に同封の課税明細書(または4〜5月の通知書)を確認して、前年と比較してみてください。


3つの選択肢を比較する

納付書が届いた今、選べる選択肢は大きく3つです。

選択肢①:払い続ける(現状維持)

毎年の固定資産税を払いながら、空き家を保有し続ける選択肢です。

メリット

  • 今すぐ動く必要がない
  • 物件の売却タイミングを自分で決められる
  • 将来の地価上昇・開発計画に乗れる可能性がある

デメリット

  • 年間維持費が毎年かかり続ける
  • 建物の劣化が進むほど修繕費・解体費が増える
  • 管理不全・特定空き家に指定されると税額が最大6倍になるリスク
  • 相続登記が未了の場合、2024年4月施行の義務化により10万円以下の過料が発生するリスク

「将来売れる見込みがある」「相続人間で話し合いが続いている」など、明確な理由がある場合は現状維持も一つの判断です。ただし、その間も維持費は積み上がっていきます。

選択肢②:減免・納税猶予を申請する

市区町村に相談して、固定資産税の支払いを猶予・軽減してもらう選択肢です。

実態として知っておきたいこと

空き家であること自体を理由とした固定資産税の減免制度は、多くの自治体では設けていません。ただし、以下のような特別な事情がある場合は個別に相談できます。

事由内容
生活困窮生活保護受給者・低所得者への減免制度がある自治体も(条例依存)
災害・火災被害を受けた物件への減免が認められるケースあり
分納申請一括が難しい場合、期限内に窓口相談で細かい分割払いに対応してもらえることがある
納税猶予一定の要件を満たす場合に1年以内の猶予が認められることがある(地方税法第15条)

「空き家だから」という理由だけでは減免されません。相談してみる価値はありますが、期待しすぎず、複数の選択肢を並行して検討することが大切です。

選択肢③:売却(買取)で手放す

訳あり不動産の買取専門業者に直接売却して、空き家を手放す選択肢です。

メリット

  • 売却完了後は固定資産税の支払いがなくなる
  • 維持管理の手間・コスト・精神的負担が一度にゼロになる
  • 仲介で断られた物件でも買取なら対応できるケースが多い
  • 片付け不要・現況のまま売却可
  • 最短2〜4週間で現金化できる

「いくらで売れるかわからない」という不安について

買取査定は無料で受けられます。「安く買い叩かれるのでは」という心配から査定を避ける方もいますが、査定を受けても売却する義務はありません。まず数字を確認してから判断するのが合理的です。


年間コストシミュレーション|持ち続けるvs売却

「払い続けるのが得か、今売るのが得か」は数字で比べることができます。

固定資産税の年間コスト計算。電卓と書類で維持費と買取価格を比較するシミュレーション

基本の計算式:損益分岐年数

損益分岐年数 = 買取査定価格 ÷ 年間維持費
年間維持費買取査定価格損益分岐年数
6万円300万円50年
12万円120万円10年
20万円100万円5年
30万円60万円2年

「損益分岐年数」より長く保有する予定がある場合は持ち続けるほうが有利です。逆に短い場合や、見通しが立たない場合は早期売却が合理的です。

年間維持費の計算例(空き家・大阪市)

項目年間金額の目安
固定資産税(土地+建物)8〜15万円(評価額・築年数による)
火災保険(長期不在の場合)3〜5万円
草刈り・清掃・管理3〜5万円
修繕の積立(老朽化分)5〜10万円
合計19〜35万円

特定空き家に指定されたケースの試算

住宅用地特例が解除されると税額が最大6倍になります。以下は一例です。

状態土地固定資産税(年間・評価額1,000万円・小規模住宅用地の場合)
住宅用地特例あり約23,333円(評価額×1/6×1.4%×都市計画税含む)
管理不全空き家(勧告後)約46,667円(特例縮小)
特定空き家(指定後)約140,000円(特例解除・約6倍)

宅建業者の視点: 「特定空き家に指定されてから相談に来た」というケースでは、すでに税額が大幅に上がっており、毎年の負担が重くなっています。指定される前の段階で動いておくほうが、手取り額も良くなりやすいです。


「6月の第1期納付書」が行動のタイミングである理由

固定資産税の納付書が届く6月は、空き家オーナーにとって年間で最も「今後を考えやすいタイミング」のひとつです。

理由は3つあります。

理由1:年間コストが数字として目に見えるから

納付書が届くことで、「今年もこれだけ払う」という事実が数字で確認できます。感覚ではなく、実際の金額を見ながら判断できるのがこのタイミングです。

理由2:3,000万円特別控除(空き家特例)の期限確認ができるから

被相続人が居住していた空き家を売却する場合、相続開始から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却すれば、3,000万円の特別控除が使えます(空き家特例・租税特別措置法第35条第3項)。

「相続から何年経ったか」を納付書が届いたこの機会に確認しておいてください。

理由3:次の評価替えに備えられるから

固定資産税の評価額は3年ごとに見直されます(評価替え)。直近では2024年が評価替え年でした。次は2027年です。評価額が上がれば税額も上がりますので、早い段階で手放す選択肢を検討する意義があります。


固定資産税の納付書について不動産業者に相談している場面。空き家の今後を検討する

空き家の状態別:今すぐ取るべきアクション

相続後3年未満の空き家

3,000万円特別控除(空き家特例)が使える可能性があります。相続開始日から3年を過ぎると控除が受けられなくなるため、今すぐ司法書士・税理士・買取業者に相談することをお勧めします。

相続後3年以上放置している空き家

空き家特例は使えませんが、それでも固定資産税の負担から解放されるメリットは大きいです。買取価格と維持費を比較して、合理的な判断をしてください。

特定空き家・管理不全空き家の指定を受けている

住宅用地特例の縮小・解除がすでに発生しているか、今後発生するリスクが高い状態です。年間維持費が急増する前に、できるだけ早く動くことをお勧めします。

共有持分がある空き家

共有者全員の合意なしに売却できないケースが多いですが、持分のみの買取に対応している業者もあります。揉めている場合も含めて、まず相談してみてください。

相続登記が未了の空き家

2024年4月から相続登記が義務化されています(相続を知った日から3年以内)。未了のまま放置すると10万円以下の過料が科される可能性があります。登記手続きと並行して、売却の相談も進めることができます。


よくある質問

Q:納付書を払わないとどうなりますか?

納期限を過ぎると最初の1ヶ月は年2.4%、その後は年8.7%の延滞金が加算されます(地方税法第72条の45の2)。督促状・差押予告通知を経て、不動産・預貯金・給与への差押えが行われます。払えない事情がある場合は、放置せず早めに市区町村窓口に相談してください。

Q:空き家を売却するとその年の固定資産税はどうなりますか?

固定資産税は1月1日時点の所有者に課税されます。年途中に売却した場合、売買契約で売却日以降の日数分を日割り精算するのが一般的です。翌年1月1日以降は所有者でなければ課税されません。

Q:「どこに相談しても断られた」物件でも査定できますか?

はい、対応できます。再建築不可・市街化調整区域・事故物件・共有持分・老朽化が進んだ物件など、一般的な仲介では扱いにくい物件の買取に対応しています。まず無料査定からお気軽にご相談ください。


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