相続アパート「売る・貸す・管理委託する」三択を徹底比較|10年・20年手取りシミュレーター付き【2026年版】
相続したアパート、どうするか決められていますか。
「とりあえず持っておく」「管理が面倒だから売りたい」「でも賃貸収入が惜しい」——そんな迷いをお持ちの方は多くいます。「売る・貸し続ける・管理委託する」の三択は、10年後・20年後の手取りに数百万円〜数千万円の差を生む意思決定です。
この記事では、三択それぞれの収支構造をわかりやすく解説し、自分の物件に当てはめてシミュレーションできるツールを提供します。
三択の概要と特徴
| 売却 | 賃貸継続(自主管理) | 管理委託 | |
|---|---|---|---|
| 即時現金 | 大(売却価格が手元に入る) | なし | なし |
| 毎月の収入 | なし | 家賃収入(満室時) | 家賃収入 − 管理費 |
| 管理の手間 | ゼロ(売却後) | 大(自分で対応) | 小(委託先が対応) |
| 修繕リスク | ゼロ(売却後) | 全額オーナー負担 | 全額オーナー負担 |
| 空室リスク | ゼロ(売却後) | 全額オーナー負担 | 全額オーナー負担 |
| 向いている物件 | 築古・空室多め・遠方 | 築浅・都心・高稼働 | 遠方・管理が困難 |
10年・20年手取りシミュレーター
物件の数字を入力すると、三択それぞれの手取り総額を自動計算します。
物件情報を入力してください
各選択肢の詳細解説
選択肢①:売却(即時現金化)
売却の最大のメリットは、リスクを即座に断ち切れることです。売却した瞬間から、修繕費・空室リスク・管理の手間・固定資産税のすべてが消えます。
売却に向いている物件の条件
- 築30年超:今後の修繕費(外壁・屋根・給排水管)が急増する時期
- 空室率20%以上:収支がマイナス、または僅かなプラスにしかなっていない
- 遠方管理:入居者対応・修繕手配が物理的に難しい
- 相続税の支払い負担がある:売却資金で相続税を払うと節税特例(取得費加算)が使える
- 相続から3年10ヶ月以内:取得費加算の特例の期限内
売却時の税金の基本
| 所有期間 | 税率(譲渡所得税) |
|---|---|
| 5年以内(短期) | 約39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別税) |
| 5年超(長期) | 約20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別税) |
相続した不動産の「所有期間」は被相続人の取得日から計算するため、古い物件は最初から長期保有扱いになることが多いです。
選択肢②:賃貸継続(自主管理)
自主管理は手間がかかる分、管理委託費がかからないため、収益最大化が狙えます。ただし、遠方に住むオーナーには現実的でないことが多いです。
賃貸継続(自主管理)の年間収支例
築30年・8室(満室家賃収入48万円/月)のアパートを想定:
| 項目 | 年間金額 |
|---|---|
| 家賃収入(空室率20%) | +460万円 |
| 固定資産税・都市計画税 | −50万円 |
| 修繕積立費 | −60万円 |
| 火災保険料 | −10万円 |
| 年間手取り概算 | 約340万円 |
ただし、これは突発修繕(給湯器交換15〜25万円、外壁修繕200〜400万円など)を含まない数字です。築古物件では突発修繕で年収支がマイナスになることがあります。
賃貸継続に向いている物件の条件
- 築20年以内:当面の大規模修繕が不要
- 都市部・駅近:需要が安定しており空室リスクが低い
- 稼働率90%以上:現在の収益が安定している
- 近距離在住:入居者対応や修繕手配が自分でできる
選択肢③:管理委託
管理委託は「賃貸は続けたいが管理が面倒」というオーナーに向いた選択肢です。家賃収入の5〜10%を管理費として支払う代わりに、入居者対応・修繕手配・家賃管理などをプロに任せられます。
管理委託の年間収支例
築30年・8室(満室家賃収入48万円/月)・管理委託費7%のアパート:
| 項目 | 年間金額 |
|---|---|
| 家賃収入(空室率20%) | +460万円 |
| 固定資産税・都市計画税 | −50万円 |
| 修繕積立費 | −60万円 |
| 管理委託費(7%) | −40万円 |
| 火災保険料 | −10万円 |
| 年間手取り概算 | 約300万円 |
自主管理と比べると年間約40万円(管理委託費分)少なくなりますが、管理の手間が大幅に減ります。
管理委託のデメリット
管理委託にしても修繕リスクと空室リスクはオーナー負担のままです。築古物件では管理委託費を払いながら修繕費もかさむため、収支が急激に悪化することがあります。
どの選択肢を選ぶべきか:判断フロー
以下のフローで自分の状況をチェックしてください。
相続アパートをどうする?
│
├─① 築35年超 or 空室率30%以上?
│ → YES → 売却を強く推奨
│ (修繕費増大・賃料下落リスクが大きい)
│
├─② 相続から3年10ヶ月以内?
│ → YES → 取得費加算の特例が使える。売却で節税効果大
│
├─③ 遠方に住んでいる(片道2時間超)?
│ → YES → 自主管理は困難。管理委託 or 売却を検討
│
├─④ 築20年以内・稼働率90%以上・都市部立地?
│ → YES → 賃貸継続(自主管理 or 管理委託)が有利
│
└─⑤ 迷っている
→ まず査定(無料)を取り、売却した場合の手取りを確認
よくある誤解:「持っていた方が得」は本当か
「売ってしまうのはもったいない」という感覚は自然ですが、数字で比較すると逆転することがあります。
たとえば、売却価格2,500万円の物件を持ち続けて10年間で得られる手取りが1,200万円(年120万円)だとすると、売却した場合の手取り(2,400万円程度)を大幅に下回ります。さらに、10年間の維持リスク(突発修繕・空室)を考えると、実質的な差はさらに広がります。
「手放すことへの心理的抵抗」と「数字の現実」は別物です。シミュレーターで具体的な数字を出してから判断することをお勧めします。
まとめ:三択の選び方チェックリスト
| チェック項目 | 当てはまる → |
|---|---|
| 築30年超 | 売却を検討 |
| 空室率20%以上 | 売却を検討 |
| 遠方在住(片道2時間超) | 売却 or 管理委託 |
| 相続から3年10ヶ月以内 | 早めの売却で節税 |
| 稼働率90%以上・駅近 | 賃貸継続 or 管理委託 |
| 管理が面倒 | 管理委託 or 売却 |
| 早く現金化したい | 売却一択 |
「三択のどれが正解か」は物件ごとに異なります。まずは無料の買取査定を取ることで、売却した場合の手取りがわかります。その数字を持って、賃貸継続・管理委託と比較してみてください。
・譲渡所得税率(長期/短期):国税庁「譲渡所得(土地や建物を売ったとき)」に基づく(2026年4月現在)
・取得費加算の特例:相続税法第39条、措置法第39条(相続開始から3年10ヶ月以内の売却が条件)
・相続登記義務化:2024年4月1日施行(相続を知った日から3年以内)
・管理委託費率5〜10%:国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」参考
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