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相続した家、何から手をつければいい?7ステップ・チェックリストと期限一覧【2026年版】

宅建業者|宅建業者
不動産の書類と家の鍵 相続した家の手続きチェックリストのイメージ

「親が亡くなったあと、相続した家について何から手をつければいいのかわからない」——そうおっしゃる方からのご相談を、私たちは毎月いただきます。

葬儀が終わった直後は気力も体力も消耗しています。そのうえ手続きが複数あり、それぞれに期限があるとなると、どこから始めていいか途方に暮れてしまうのは当然です。

この記事では、相続した家について「何から手をつければいいか」を7つのステップと期限一覧でまとめています。Yes/No形式の状況チェックで自分のステップを確認してから、順番に読み進めてください。

この記事でわかること

  • 相続した家の手続きを7ステップで整理した全体像
  • 各ステップの期限と「期限を過ぎるとどうなるか」
  • 自分の状況(遺言あり/なし・相続人数など)によって変わる分岐
  • 売却を急ぎたい場合の最短ルート

まず確認:あなたの状況チェック(Yes/No)

以下の質問に答えて、今どのステップから始めればいいかを確認してください。

質問YesNo
① 相続放棄を検討している→ 今すぐステップ2へ(3ヶ月以内)→ ステップ3へ進む
② 遺言書がある→ ステップ1(検認)から開始→ 遺産分割協議が必要(ステップ3)
③ 相続登記(名義変更)が完了している→ ステップ7(処分方針)へ→ ステップ5から開始
④ 相続税申告が必要(財産が基礎控除超)→ 10ヶ月以内に税理士へ相談→ ステップ5はスキップ可
⑤ 急いで現金化したい→ ステップ7の「買取」を先読み→ 仲介売却も選択肢

「何から始めていいか」より「期限が近い手続き」を優先してください。特に相続放棄(3ヶ月)と相続税申告(10ヶ月)は期限超過が取り返しのつかない結果になることがあります。


ステップ1:遺言書の有無を確認する(葬儀後すぐ)

不動産の書類とチェックリストを確認する様子。相続手続きの最初のステップ

相続手続きの出発点は「遺言書があるかどうか」の確認です。遺言書の有無で手続き全体の流れが変わります。

遺言書を探す場所

種類探す場所注意点
自筆証書遺言故人の自宅・仏壇・金庫開封禁止。家庭裁判所で検認が必要
公正証書遺言全国の公証役場(遺言検索システム)で検索可能検認不要。即座に有効
法務局保管の自筆証書遺言法務局(遺言書情報証明書の取得)検認不要。2020年7月以降に保管申請したもの

自筆証書遺言を勝手に開封すると5万円以下の過料の対象になる可能性があります。発見したら封を切らずに家庭裁判所に持参してください。

遺言書がある場合

遺言書の内容に従って相続します。法定相続分と異なる指定があっても、原則として遺言が優先されます(一部例外あり)。相続人全員の合意がなくても、遺言どおりに相続登記を進めることが可能です。

遺言書がない場合

相続人全員が参加する「遺産分割協議」で誰が何を相続するかを決める必要があります。全員の合意(遺産分割協議書への署名・捺印)がなければ相続登記もできません。

宅建士の視点: 公正証書遺言の検索システムは、最寄りの公証役場に亡くなった方の戸籍謄本を持参することで利用できます。費用は無料です。ご存じない方が多いので、まず検索してみることをおすすめします。


ステップ2:相続放棄を検討する(3ヶ月以内・最優先)

相続には財産だけでなく借金・ローンも含まれます。「家を相続すると同時に親のローン残債も引き継いでしまった」というケースは珍しくありません。

相続放棄を検討すべきケース

  • 故人にローン・借金が残っている
  • 家の価値より修繕費・解体費が高い
  • 管理する余力がなく、コストだけかかる
  • 他の相続人との関係が複雑で関わりたくない

相続放棄の期限と手続き

「相続を知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申立てが必要です。この期限を過ぎると原則として相続放棄できなくなります。

手続き場所費用
相続放棄の申立て被相続人の最後の住所地の家庭裁判所収入印紙800円+書類取得費用

注意: 相続財産を使ったり、処分したりすると「単純承認」とみなされ、放棄できなくなります。財産に手をつける前に専門家に相談してください。

→ 関連記事: 相続放棄の完全ガイド


ステップ3:相続人と相続財産を確認する

相続放棄しない場合は、誰が相続人で、何を相続するかを確認します。

相続人の確認方法

法定相続人の範囲は民法で定められています。

順位相続人相続割合(配偶者がいる場合)
常に相続配偶者1/2(子がいる場合)〜3/4(親のみの場合)〜全部
第1順位子(孫)1/2
第2順位親(祖父母)1/4(配偶者がいる場合)
第3順位兄弟姉妹(甥・姪)1/4(配偶者がいる場合)

戸籍謄本を出生から死亡まで取り寄せて、相続人を確定します。相続人が複数いる場合は遺産分割協議書を作成して全員が署名・捺印します。

不動産の状況確認チェックリスト

  • 固定資産税の課税明細書で物件を特定した
  • 登記事項証明書(法務局)で名義・抵当権を確認した
  • 相続放棄する人がいないか全員に確認した
  • ローン残高(住宅ローン)の有無を確認した

宅建士の視点: 固定資産税の課税明細書(毎年5〜6月に届く通知書)に、所有している不動産の一覧が記載されています。「親名義の不動産が他にもある」と気づくことがありますので、必ず確認してください。


ステップ4:遺産分割協議(相続人が複数の場合)

遺言書がなく、相続人が複数いる場合は全員参加の遺産分割協議で「誰が家を相続するか」を決めます。

協議がまとまらない場合

方法特徴期間
遺産分割調停家庭裁判所が仲介。全員の同意が必要半年〜1年程度
遺産分割審判調停不成立の場合、裁判所が決定1〜2年程度
共有名義のまま売却共有持分の買取業者に売ることも可能最短数週間

「意見がまとまらないから売れない」は誤解です。共有持分を専門の買取業者に売る方法もあります(全員の合意は不要)。

→ 関連記事: 共有持分の売却ガイド


ステップ5:相続税の申告(10ヶ月以内・該当する場合)

相続税の申告が必要かどうかを確認します。

相続税の基礎控除

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人数
法定相続人数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円

相続財産の合計がこの金額を超える場合は、相続から10ヶ月以内に相続税の申告・納付が必要です。

不動産の評価額は「路線価(国税庁公表)」をもとに計算します。土地の評価は様々な特例(小規模宅地等の特例など)で大幅に下げられる場合があります。税理士への相談をおすすめします。

→ 関連記事: 相続税の基礎知識


ステップ6:相続登記(名義変更)をする(3年以内・義務)

木製の家モデルと不動産契約書類 相続登記(名義変更)のイメージ

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続(不動産取得)を知った日から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になります。

相続登記の費用目安

項目費用
登録免許税固定資産税評価額 × 0.4%
司法書士報酬5〜10万円程度(報酬は事務所によって異なる)
書類取得費用戸籍謄本・住民票等で1〜3万円程度

自分で登記できる?: 法務局の窓口で相談しながら自分で申請することも可能ですが、書類収集に時間がかかります。不動産が複数・相続人が多い・抵当権抹消も必要な場合は司法書士に依頼することをおすすめします。

相続登記ができていないと売却できません

被相続人(故人)名義のままでは不動産を売却できません。買取業者に相談すれば、相続登記と売却を並行してスケジュール調整できるケースがあります。

→ 関連記事: 相続登記義務化の完全対応ガイド2026年版


ステップ7:家の処分方針を決める(売却・賃貸・保有)

相続登記が完了したら、いよいよ家をどうするかの最終判断です。

選択肢の比較

処分方法メリットデメリット向いている状況
売却(仲介)市場価格に近い金額3ヶ月〜1年以上かかる状態が良い・立地が良い
売却(買取)最短2週間・修繕不要市場価格の70〜85%程度訳あり・老朽化・急いでいる
賃貸に出す家賃収入・家を残せる管理費・空室リスク立地が良く賃貸需要がある
自分が住む住居費を抑えられる引越しが必要今の住まいより条件が良い
放置(おすすめしません)判断を先送りにできる固定資産税・劣化・行政指導のリスク

3年以内の売却で使える特例

相続から3年以内に売却した場合、「相続空き家の3,000万円特別控除」が使える可能性があります(要件を満たす場合)。この特例を活用すれば、多くのケースで譲渡所得税がゼロになります。

期限は「相続開始の日の翌日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」です。相続から時間が経つほど使える特例が減るため、売却を検討しているなら早めに動くことをおすすめします。

宅建士の視点: 「相続空き家の3,000万円特別控除」は要件が複雑で、特に「耐震基準を満たすか解体が必要」という要件で対象外になるケースがあります。売却前に税理士に確認することを強くおすすめします。

→ 関連記事: 相続した家をどうする?4つの選択肢と判断基準


期限まとめ一覧

手続き期限期限超過のリスク
相続放棄相続を知った日から3ヶ月以内原則取り消し不可(借金も引き継ぐ)
相続税申告・納付相続開始を知った日から10ヶ月以内延滞税・加算税が発生
相続登記(義務)相続を知った日から3年以内10万円以下の過料
相続空き家3,000万円控除相続から3年以内(年末まで)の売却控除が使えず譲渡税が発生
取得費加算の特例相続税申告期限から3年以内の売却特例が使えず譲渡税が増える

一番リスクが高いのは相続放棄の3ヶ月期限です。借金・ローンが不安な方は、何より先にこの確認を優先してください。


よくある質問

Q: 遠方に住んでいて、相続した家に行く時間がありません。どうすればいいですか?

A: 相続登記の手続きは郵送やオンラインでも対応できます(司法書士への依頼)。売却の場合も、買取業者であれば査定から契約まで郵送・電話・オンラインで進めることが可能です。まずはご相談ください。

Q: 相続した家に残留品・家具が大量にあります。片付けないと売れませんか?

A: 買取業者への直接売却の場合、残留品がある状態でも買取できることがあります。仲介の場合は一般的に片付けが必要です。残留品の量が多い場合は、買取業者に相談してから片付けるかどうかを決めることをおすすめします。

Q: 相続した家は古くてボロボロです。売れますか?

A: 訳あり不動産の買取を専門とする業者であれば、老朽化した物件・再建築不可物件・事故物件なども買取対象になります。通常の不動産会社では「売れない」と断られた物件でも、買取業者に相談していただくことで解決できるケースがあります。


まとめ:相続した家は「期限」から逆算して動く

相続した家の手続きは複数あり、それぞれに期限があります。まず「3ヶ月・10ヶ月・3年」という3つの期限を頭に入れて、期限の近いものから優先的に動くことが重要です。

「売却すべきか、賃貸にすべきか、まだ決められない」という方も、まず相続人の確認と相続登記だけでも早めに進めておくことをおすすめします。名義変更が完了していれば、売却のタイミングを後から決めることができます。

「何から相談していいかわからない」という方も、ぜひ一度ご連絡ください。相続した不動産の処分について、一緒に整理するところからお手伝いします。


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