空き家のミカタ

空き家コスト・リスク全国データベース2026|47都道府県の固定資産税負担額・放置コスト試算・特定空家指定数

空き家のミカタ編集部|宅地建物取引業者(大阪府知事(1)第65646号)
固定資産税の書類と空き家コスト計算のイメージ
このページのポイント:
  • 全国47都道府県の年間固定資産税目安・放置コスト・特定空家指定数を一覧化
  • 特定空家「勧告」後は固定資産税が最大6倍になり、5年放置で数百万円の損失も
  • 固定資産税シーズン(5〜6月)に納税通知書と照らし合わせて使えるデータ集
  • 「あと何年持ち続けると損か」を試算できる放置コスト早見表付き

毎年5〜6月に届く固定資産税の納税通知書。「今年も払うのか……」とため息をついた方は多いのではないでしょうか。

空き家の固定資産税は「持ち続けること」の見えないコストです。通常の住宅であれば住宅用地特例(最大1/6軽減)が適用されていますが、特定空家または管理不全空き家として市区町村から「勧告」を受けると、この特例が翌年度から外れて税額が最大6倍になります。

さらに固定資産税以外にも、草刈り・清掃・設備点検などの管理費用、建物の経年劣化による価値低下、損害保険料の上昇など、「放置コスト」は積み重なります。

このページでは、総務省住宅・土地統計調査(2023年確報)・国土交通省施行状況調査(2025年)・各都道府県の公示地価データをもとに、全国47都道府県の空き家コスト・リスクを数値化してまとめました。自分の物件がある都道府県のデータを確認して、「今すぐ動くべきか」の判断材料にしてください。


目次

  1. データの読み方・前提条件
  2. 全国47都道府県 コスト・リスクデータ一覧(地方別)
  3. 放置コスト早見表|5年・10年で損する額の試算
  4. 固定資産税負担が大きい都道府県TOP5
  5. 空き家率が高い「危険エリア」の現実
  6. 売るなら「勧告前」が鉄則の理由
  7. よくあるご質問

データの読み方・前提条件

本ページのデータは以下の前提で試算しています。

項目 前提条件
物件タイプ 木造一戸建て(延床面積100㎡・土地面積150㎡)
固定資産税率 標準税率1.4%(都市計画税0.3%含む)
住宅用地特例 200㎡以下:課税標準の1/6(適用中の場合)
評価基準 各都道府県の公示地価(2025年版)・固定資産税路線価の平均値をもとに推計
建物評価額 築30年木造一戸建てで約200〜400万円を想定

※掲載データは参考値です。実際の税額は固定資産税の納税通知書または市区町村担当窓口でご確認ください。

出典:

  • 総務省「平成30年・令和5年 住宅・土地統計調査」(2023年確報)
  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況(2025年3月)」
  • 国土交通省「地価公示(2025年)」
  • 各都道府県「空家等対策計画」公表資料

全国47都道府県 コスト・リスクデータ一覧(地方別)

全国47都道府県の空き家コストリスクデータ統計表
コストランクの見方: ★★★ = 年間固定資産税15万円超(住宅特例適用時)/特定空家勧告後は年間70万円超 / ★★ = 年間5〜15万円 / ★ = 年間5万円未満

北海道・東北

都道府県 空き家率 年間固定資産税目安(住宅特例中) 勧告後(6倍目安) 特定空家指定(累計推計) 行政代執行(累計推計) コストランク
北海道 14.9% 約4〜8万円 約24〜48万円 約1,500件 約45件 ★★
青森県 16.8% 約2〜5万円 約12〜30万円 約580件 約16件
岩手県 15.2% 約2〜4万円 約12〜24万円 約450件 約13件
宮城県 15.8% 約4〜7万円 約24〜42万円 約680件 約18件 ★★
秋田県 18.3% 約2〜4万円 約12〜24万円 約480件 約15件
山形県 16.5% 約2〜4万円 約12〜24万円 約500件 約14件
福島県 15.4% 約3〜6万円 約18〜36万円 約670件 約18件 ★★

関東

都道府県 空き家率 年間固定資産税目安(住宅特例中) 勧告後(6倍目安) 特定空家指定(累計推計) 行政代執行(累計推計) コストランク
茨城県 16.3% 約4〜9万円 約24〜54万円 約1,100件 約30件 ★★
栃木県 17.0% 約4〜8万円 約24〜48万円 約740件 約20件 ★★
群馬県 17.1% 約4〜8万円 約24〜48万円 約800件 約22件 ★★
埼玉県 11.5% 約8〜16万円 約48〜96万円 約3,200件 約120件 ★★★
千葉県 13.2% 約7〜14万円 約42〜84万円 約2,800件 約95件 ★★★
東京都 10.6% 約18〜35万円 約108〜210万円 約1,900件 約60件 ★★★
神奈川県 11.2% 約12〜22万円 約72〜132万円 約2,400件 約75件 ★★★

中部

都道府県 空き家率 年間固定資産税目安(住宅特例中) 勧告後(6倍目安) 特定空家指定(累計推計) 行政代執行(累計推計) コストランク
新潟県 15.5% 約3〜6万円 約18〜36万円 約850件 約24件 ★★
富山県 15.0% 約3〜6万円 約18〜36万円 約480件 約14件 ★★
石川県 15.2% 約4〜7万円 約24〜42万円 約450件 約13件 ★★
福井県 15.5% 約3〜5万円 約18〜30万円 約350件 約10件 ★★
山梨県 23.4% 約3〜6万円 約18〜36万円 約580件 約17件 ★★
長野県 20.2% 約3〜7万円 約18〜42万円 約880件 約25件 ★★
岐阜県 17.2% 約4〜7万円 約24〜42万円 約680件 約19件 ★★
静岡県 15.6% 約5〜9万円 約30〜54万円 約1,300件 約40件 ★★
愛知県 12.1% 約7〜13万円 約42〜78万円 約2,600件 約80件 ★★★

近畿

都道府県 空き家率 年間固定資産税目安(住宅特例中) 勧告後(6倍目安) 特定空家指定(累計推計) 行政代執行(累計推計) コストランク
三重県 17.0% 約4〜7万円 約24〜42万円 約680件 約19件 ★★
滋賀県 14.2% 約5〜9万円 約30〜54万円 約470件 約13件 ★★
京都府 14.8% 約6〜12万円 約36〜72万円 約760件 約21件 ★★★
大阪府 14.7% 約8〜15万円 約48〜90万円 約2,100件 約70件 ★★★
兵庫県 15.5% 約7〜13万円 約42〜78万円 約1,800件 約55件 ★★★
奈良県 17.4% 約4〜8万円 約24〜48万円 約560件 約16件 ★★
和歌山県 21.2% 約3〜5万円 約18〜30万円 約380件 約12件 ★★

中国・四国

都道府県 空き家率 年間固定資産税目安(住宅特例中) 勧告後(6倍目安) 特定空家指定(累計推計) 行政代執行(累計推計) コストランク
鳥取県 15.3% 約2〜4万円 約12〜24万円 約230件 約7件
島根県 18.0% 約2〜4万円 約12〜24万円 約280件 約9件
岡山県 16.2% 約4〜7万円 約24〜42万円 約750件 約22件 ★★
広島県 16.0% 約5〜9万円 約30〜54万円 約1,050件 約32件 ★★
山口県 18.2% 約3〜5万円 約18〜30万円 約530件 約16件
徳島県 20.0% 約2〜4万円 約12〜24万円 約280件 約9件
香川県 17.6% 約3〜5万円 約18〜30万円 約350件 約11件 ★★
愛媛県 17.5% 約3〜6万円 約18〜36万円 約470件 約14件 ★★
高知県 19.7% 約2〜4万円 約12〜24万円 約260件 約8件

九州・沖縄

都道府県 空き家率 年間固定資産税目安(住宅特例中) 勧告後(6倍目安) 特定空家指定(累計推計) 行政代執行(累計推計) コストランク
福岡県 13.6% 約6〜11万円 約36〜66万円 約2,000件 約65件 ★★★
佐賀県 16.5% 約3〜5万円 約18〜30万円 約320件 約10件 ★★
長崎県 17.4% 約3〜5万円 約18〜30万円 約420件 約13件 ★★
熊本県 16.2% 約4〜6万円 約24〜36万円 約550件 約17件 ★★
大分県 17.5% 約3〜5万円 約18〜30万円 約380件 約12件 ★★
宮崎県 17.5% 約3〜5万円 約18〜30万円 約330件 約11件 ★★
鹿児島県 18.7% 約3〜5万円 約18〜30万円 約500件 約16件 ★★
沖縄県 10.5% 約4〜8万円 約24〜48万円 約310件 約10件 ★★

放置コスト早見表|5年・10年で損する額の試算

空き家を放置した場合の累計コスト計算のイメージ

空き家を「とりあえず置いておく」という判断には、見えないコストが積み重なっています。以下の試算は木造一戸建て(延床100㎡・土地150㎡)の標準的ケースを想定しています。

都市圏(東京・大阪・名古屋周辺)の放置コスト試算

コスト項目 年間目安 5年合計 10年合計
固定資産税・都市計画税(住宅特例中) 約15〜25万円 約75〜125万円 約150〜250万円
最低限の管理費用(草刈り・清掃・換気) 約5〜10万円 約25〜50万円 約50〜100万円
建物経年劣化による価値下落(推計) 約10〜20万円相当 約50〜100万円相当 約80〜150万円相当
合計(住宅特例適用時) 約30〜55万円 約150〜275万円 約280〜500万円
特定空家「勧告」後(6倍化) 約80〜145万円

地方圏(空き家率高いエリア)の放置コスト試算

コスト項目 年間目安 5年合計 10年合計
固定資産税・都市計画税(住宅特例中) 約3〜7万円 約15〜35万円 約30〜70万円
最低限の管理費用 約5〜10万円 約25〜50万円 約50〜100万円
建物経年劣化による価値下落(推計) 約5〜15万円相当 約25〜75万円相当 約40〜120万円相当
合計(住宅特例適用時) 約13〜32万円 約65〜160万円 約120〜290万円
特定空家「勧告」後(6倍化) 約20〜50万円
行政代執行になった場合の追加コスト:命令に従わず行政代執行(強制解体)が実施された場合、木造一戸建て(100㎡程度)では100〜300万円の解体費用が所有者に請求されます。さらに国税滞納処分による財産差押え・競売のリスクも生じます。

固定資産税負担が大きい都道府県TOP5

住宅特例が外れた場合(特定空家「勧告」後)に年間固定資産税負担が最も大きくなる都道府県です。

順位 都道府県 勧告後の年間固定資産税目安 理由
1位 東京都 約108〜210万円 地価水準が突出して高い。23区内は億単位の評価額も
2位 神奈川県 約72〜132万円 横浜・川崎の都市部は地価が高く、特例解除の影響が大きい
3位 大阪府 約48〜90万円 梅田・難波周辺など高地価エリアが多い
4位 埼玉県 約48〜96万円 さいたま市周辺の地価上昇で都市圏並みの水準に
5位 愛知県 約42〜78万円 名古屋市内の地価水準が高く、周辺市にも波及

一方で地方圏(秋田・島根・高知等)は地価が低いため勧告後でも年間12〜24万円程度ですが、これを「安い」と思って放置するのは危険です。管理コスト・建物劣化・行政代執行リスクを含めると、地方圏でも10年で200万円超の損失になるケースがあります。


空き家率が高い「危険エリア」の現実

空き家率20%を超える「Sランク」5県(山梨・和歌山・長野・徳島・高知)では、5戸に1戸以上が空き家という状況です。

こうした地域では:

  • 近隣の空き家も増えているため、土地・建物の市場価値が下落しやすい
  • 行政の空き家対策担当者が巡回を強化しており、指定・勧告のスピードが速まっている
  • 空き家バンクへの登録物件が増えすぎて成約しにくくなっている(需要より供給が過多)

一方で都市圏(東京・大阪・神奈川等)は空き家率は低いものの、地価が高いため固定資産税の「6倍化」による金銭的ダメージは地方圏の数倍になります。どちらのエリアも、早期対処が有利なことに変わりはありません。


売るなら「勧告前」が鉄則の理由

行政処分の進行状況によって、空き家の売れやすさと手取り額が大きく変わります。

状況 仲介での売れやすさ 買取での対応 手取り額の傾向
通知なし(現状維持中) ◎ 売りやすい ○ 即日対応可 最大
助言・指導を受けている ○ 条件次第 ○ 即日対応可 やや低い
勧告を受けている(6倍化確定) △ 買い手が減る ○ 即日対応可 低い
命令を受けている × ほぼ売れない △ 要確認 かなり低い
行政代執行中・後 × 売れない × 対応困難 最低(費用請求あり)

最も手取り額が多いのは、行政から何も通知が来ていない段階での早期売却です。「固定資産税の通知書が届いた今」が、動くための一番のタイミングです。

当社(空き家のミカタ)は宅建業者として、特定空家・管理不全空き家・行政処分が進行中の物件も含めて現況のまま査定・直接買取が可能です。仲介手数料なし・最短2週間で現金化できます。


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よくあるご質問

Q. 固定資産税の「住宅用地特例」が外れると具体的に何円増えますか?

特定空家または管理不全空き家として「勧告」を受けると、住宅用地の課税標準が小規模用地(200㎡以下)で1/6から1/1へ戻ります。例えば土地の固定資産評価額が600万円の場合、住宅特例適用中の固定資産税は600万×1/6×1.4%=約1.4万円ですが、特例解除後は600万×1.4%=約8.4万円になります。この差額(約7万円)が「6倍化」の実態です。建物分・都市計画税も加わるとさらに大きくなります。

Q. 空き家を5年間放置すると合計でいくらかかりますか?

固定資産税・都市計画税に加え、最低限の管理費用(草刈り・清掃・設備点検)や建物の自然劣化損失を含めると、地方圏の一般的な一戸建てで年間30〜60万円、都市圏では年間50〜100万円以上の実質コストになります。5年間で150〜500万円を超えるケースも珍しくありません。

Q. 固定資産税の納税通知書が届いたら何を確認すべきですか?

課税明細書の「地目」が「宅地」で、「小規模住宅用地」「一般住宅用地」の適用がある場合は住宅用地特例が適用されています。この特例が消えていた場合、すでに勧告を受けている可能性があります。前年比で急増している場合は市区町村の固定資産税担当窓口への問い合わせをお勧めします。

Q. 空き家を早めに手放したい場合、何から始めればいいですか?

まず現在の状況(行政から通知が来ているか・建物の状態・登記名義人)を確認してください。その上で訳あり物件の直接買取専門業者に無料査定を依頼するのが最短ルートです。査定は無料・無義務で、相場感をつかむだけでも活用できます。


掲載データの出典:総務省「住宅・土地統計調査(2023年)」/国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況(2025年3月)」/国土交通省「地価公示(2025年)」。固定資産税目安は当社推計値であり、実際の税額は各市区町村の課税明細書でご確認ください。

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