無届増改築・違反建築の家を売る|現況買取できる理由と注意点
Q: 無届増改築・違反建築がある家は売却できますか? A: 売却できます。仲介では住宅ローンが通りにくく買い手がつきにくいですが、買取専門業者(現金購入)なら是正工事なしに現況のまま売却可能です。告知義務を果たしたうえで、最短2〜4週間で現金化できます。
無届増改築や違反建築が発覚した家でも、買取専門業者への直接売却であれば是正工事なしに現況のまま売ることができます。ただし、知っている違反内容はすべて告知する義務があります。仲介業者に断られた後でも、選択肢はあります。
「相続した実家を確認したら、増築した部分の建築確認を取っていなかった」「リフォームのつもりでやった工事が、実は無届の増改築だったとわかった」——こうしたご相談が当社には多く届きます。国土交通省の調査では、昭和30〜50年代に建てられた建物を中心に、建築確認を取得せずに増改築された物件が全国に多数存在すると推計されています。
この記事では、無届増改築・違反建築の家をどう確認し、どう売ればよいかを宅建業者の立場から具体的にお伝えします。
無届増改築・違反建築とはどういう状態か
まず「何が問題なのか」を整理します。
建築確認申請が必要なのにしていない「無届増築」
建物を増築・改築する場合、10㎡を超える工事には事前に建築確認申請が必要です(建築基準法第6条)。また、防火地域・準防火地域に指定されているエリアでは、面積にかかわらず申請が必要です。申請せずに工事を行った場合、その建物は建築基準法違反の状態になります。
親世代が行った増築、物置の設置、カーポートの屋根増設なども対象になることがあります。「少し広げただけ」「大工さんに頼んだだけ」という場合でも、面積要件を超えていれば違反になります。
増築後の登記手続きが未了の場合
建物を増築した後は、建物表題変更登記を行って増築部分を法務局に登録する必要があります(不動産登記法第51条)。この手続きを怠ったまま放置している物件も少なくありません。
増築部分が未登記の状態では、登記簿上の床面積と現況の床面積が食い違います。固定資産税の課税はされていても、登記上は「ない」部分として扱われるため、売却・担保設定・相続登記などの場面で問題が生じます。
違反建築と既存不適格の違い
混同されやすいのですが、この2つは扱いが異なります。
| 違反建築 | 既存不適格 | |
|---|---|---|
| どういう状態か | 建築当時から法律違反 | 建築時は合法だったが法改正で基準に不適合 |
| 売却への影響 | 融資審査で弾かれやすい | 比較的売りやすいケースも |
| 是正義務 | 特定行政庁から命令が来る場合あり | 現状維持は可(再建築時に適合が必要) |
無届増改築は違反建築に該当します。この違いを把握したうえで対策を考えることが大切です。
なぜ仲介では売りにくいのか
仲介市場(不動産会社が売主と買主の間に入る取引)で無届増改築・違反建築物件が売れにくい理由は3つあります。
理由①:住宅ローンが使えない
個人が不動産を購入する際、ほとんどの方が銀行の住宅ローンを利用します。しかし、金融機関は建築基準法に違反している物件への融資を認めないケースが多く、住宅ローンの審査が通らない = 個人の買い手がほぼつかないという状態になります。現金で不動産を買える個人はごく限られているため、仲介市場での売却が極めて難しくなります。
理由②:是正工事のリスクが買い手に引き継がれる
仲介で購入した個人が将来的に是正を求められた場合、撤去工事・改修工事の費用と手間はすべて買い手の負担になります。「いつ命令が来るかわからない」「費用がいくらかかるかわからない」というリスクを抱える物件は、それだけで購入意欲が大きく下がります。
理由③:告知義務があるのに「黙って売れない」
不動産売却では、売主が知っている重要な事実(物件の欠陥・法的問題)は必ず買い手に告知しなければなりません(宅建業法第47条)。無届増改築の事実を告知したうえで売れる買い手を仲介で見つけるのは、現実的にかなり難しいと言えます。
現況買取が有効な理由
買取専門業者への直接売却が有効な理由は、仲介の「売れない理由」をすべてクリアしているからです。
買取業者は現金で購入する
買取専門業者は自社の資金で物件を購入します。銀行融資を必要としないため、住宅ローン審査という壁がそもそも存在しません。建築基準法違反の状態であっても、現況のまま査定・購入が可能です。
是正・解体を自社判断で行える
買取業者はリフォームや再販を前提に物件を購入します。是正工事が必要かどうか、どの程度のコストがかかるかを自社で見積もったうえで、リスクを買取価格に織り込みます。売主は工事を手配する必要はありません。
宅建業者の視点: 無届増改築のある物件を査定する際、当社では現地確認と建築確認台帳の照合を行います。「どの部分が違反か」「是正が必要か、解体して土地で売るか」を判断したうえで価格をご提示します。売主様に事前に工事を求めることはありません。
告知済み前提での査定が可能
売主が知っているすべての事実を開示したうえで、その状態での査定を行います。売主は正直に現況を伝えるだけでよく、告知義務を果たしながら売却を完結させることができます。
未登記の増築部分にも対応できる
建物表題変更登記がされていない増築部分があっても対応できます。登記手続きを売却と並行して進めるか、あるいは買取価格の調整で対応するか、現況に応じた方法をご提案します。
買取価格への影響と注意点
価格の目安
違反の内容・程度によって異なりますが、適法物件の市場価格と比べると概ね50〜70%程度になるケースが多いです。
| 状況 | おおよその価格水準 |
|---|---|
| 是正工事が比較的容易(軽微な超過) | 市場価格の60〜70%程度 |
| 是正工事が複雑・費用大(構造的問題) | 市場価格の40〜60%程度 |
| 無届増改築+増築部分が未登記 | 市場価格の40〜60%程度 |
| 是正命令が出ている | 状況次第(要相談) |
これはあくまで目安です。実際の査定価格は立地・建物の状態・増改築の規模・是正可能性などによって大きく変わります。まずは無料査定でご確認ください。
告知義務は省略できない
買取業者への売却であっても、知っている違反内容は必ず伝える必要があります。売買契約書と物件状況確認書に明記したうえで取引を進めます。「言わなければバレない」という対応は、後に契約不適合責任を問われるリスクがありますので注意してください。
是正命令が出ている場合は早めに動く
特定行政庁(市区町村や都道府県)から是正命令(建築基準法第9条)が届いている場合、命令の内容と期限を必ず確認してください。命令が出ていても買取が可能なケースはありますが、時間的な余裕がない可能性もあります。届いた段階ですぐに専門業者に相談することをおすすめします。
無届増改築物件を売却するステップ
STEP 1:現況を確認する
まず、どの部分が無届増改築にあたるかを把握します。
建築確認台帳を確認する: 市区町村の建築指導課(または建築審査課)に「台帳記載事項証明書」を申請すると、対象の建物がいつ・どの規模で建築確認を取得したかを確認できます。費用は自治体によって異なりますが、数百円〜数千円程度です。
現況と台帳を照合する: 台帳に記載された床面積と現在の建物の床面積を比べます。差異があれば、その部分が確認を取っていない可能性があります。
現況確認の段階で不明点があれば、まず買取業者か宅建業者に相談するのが近道です。専門家が現地を見たうえで整理してくれます。
STEP 2:買取業者に無料査定を依頼する
現況(わかる範囲でOK)を伝えて無料査定を依頼します。建物の状態・増改築の内容・登記状況・是正命令の有無などをお伝えいただくと、より正確な査定が可能です。
STEP 3:買取価格・条件を確認する
査定結果をもとに買取価格と引渡し条件を確認します。「なぜこの価格か」「是正工事はどう扱われるか」など、疑問点は遠慮なくお聞きください。
STEP 4:売買契約を締結する(告知書の記載)
合意後、売買契約を締結します。無届増改築の状況は「物件状況確認書」に正確に記載します。買取業者が現況を把握したうえで購入するため、売主は告知義務を果たした状態で取引を完結できます。
STEP 5:決済・引渡し
売買代金を受け取り、物件を引き渡します。鍵の引渡しをもって完了です。引渡し後の是正対応・活用方法の検討は買取業者が行います。
まとめ
無届増改築・違反建築の家は、仲介市場では住宅ローンの壁と告知義務のハードルから売りにくい状況があります。しかし、現況買取に対応している専門業者への直接売却であれば、是正工事なしに現況のまま売ることが可能です。
- 建築確認申請なしの増改築は建築基準法違反(10㎡超・防火地域は全工事が対象)
- 仲介が難しい最大の理由は「住宅ローン審査が通らない」こと
- 買取専門業者は現金購入のため融資審査の壁がなく、現況のまま査定できる
- 告知義務は買取でも必須。知っている事実はすべて正直に伝える
- 是正命令が届いている場合は早めに動くことが大切
まずは現況をそのままお伝えください。再建築不可物件の売却方法や建築基準法違反物件の売却ガイドも合わせてご参照いただけます。
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