アパートの立退き料相場|売却前に払うか居住中買取か
TL;DR — アパート 立退き料 相場 アパートの立退き料は「家賃の6か月〜2年分」と言われますが、金額を定めた法律はなく、実際に積み上げると家賃の10か月〜2年半分(家賃5万円で1戸50万〜150万円)になることが多いです。中身は①引越実費②新居の初期費用③家賃差額の補填④迷惑料の4つで、古くて家賃が安い部屋ほど③が膨らみます。家賃5万円・入居4戸の木造アパートを全戸退去させて更地で売ると、立退き料190万〜610万円+解体費150万〜300万円が売れる前に出ていき、期間は1〜2年。入居者がいるまま1棟買取なら立退き料0円・最短2〜4週間で、手残りが逆転することがあります。空き家のミカタ(宅建業者・大阪府知事(1)第65646号)が大阪市24区を中心に現況のまま査定します。
Q: アパートの立退き料の相場はいくらですか? A: よく言われる目安は家賃の6か月分〜2年分ですが、費目を積み上げて計算すると家賃の10か月分〜2年半分に収まることが多く、家賃5万円なら1戸50万〜150万円程度です。法律で決まった金額ではなく、入居年数・入居者の事情・現在の家賃が周辺相場よりどれだけ安いかで大きく動きます。
「相続したアパートを売りたいけれど、入居者に出ていってもらうのにいくら必要ですか」というご相談を、大阪市内の相続案件でよくいただきます。
インターネットで調べると「家賃の6か月分」「50万円」「200万円」とばらばらの数字が出てきて、どれを信じればいいのかわからない、という声もよく聞きます。数字がばらつくのは、立退き料が1つの相場ではなく、4つの費目の積み上げだからです。積み上げの中身がわかれば、ご自身のアパートでいくらになるかは自分で試算できます。
この記事では、立退き料の中身を4つに分解して1戸あたりの金額を出し、それを一棟分に掛けた総額を試算します。そのうえで、立退き料を払って更地で売る道と、入居者がいるまま1棟で買取に出す道の手残りを比べます。
アパートの立退き料の相場はいくらですか?
よく目にする目安は家賃の6か月分〜2年分です。家賃5万円の部屋なら30万〜120万円程度、ということになります。
ただし私たちが実際に費目を積み上げて計算すると、この目安の上のほうか、少し上に出ることがほとんどです。次の章で分解しますが、家賃5万円の部屋で1戸あたり50万〜150万円(家賃の10か月分〜2年半分)が現実的な着地点になります。
「6か月分」で済むのは、入居して日が浅く、現在の家賃が周辺相場とほとんど変わらない部屋の場合です。相続で引き継ぐような築古アパートは、たいていその逆の条件が揃っています。
この数字を「相場」として受け取る前に、2つ知っておいていただきたいことがあります。
1つ目は、立退き料の金額を定めた法律は存在しないことです。借地借家法にも民法にも、立退き料の計算式は書かれていません。後述するとおり、借地借家法第28条は立退き料の申出を正当事由の判断で「考慮する」と定めているだけです。ですから「法律上いくら払えばいい」という答えは、そもそも存在しません。
2つ目は、同じアパートでも部屋ごとに金額が違うことです。20年住んでいる高齢の入居者がいる部屋と、去年入居した単身者の部屋では、必要な金額が数倍変わります。一棟の立退き料を「戸数×一律の単価」で考えると、必ず見積もりが外れます。
だからこそ、部屋ごとに中身を積み上げる必要があります。
立退き料は「4つの積み上げ」で決まる
立退き料の中身は、次の4つに分けて考えると整理できます。
この4分割は、国が公共事業で土地を買収するときに使う「国土交通省の公共用地の取得に伴う損失補償基準」の考え方と対応しています。同基準は第31条で動産移転料、第32条で仮住居等に要する費用、第34条で借家人に対する補償、第37条で移転雑費を定めています。
念のため申し添えると、この基準は公共事業のためのものであり、民間の立退き交渉にそのまま適用されるルールではありません。ただし、費目の立て方として実務でも交渉でも下敷きにされることが多いため、話の土台として知っておく価値があります。
①引越しの実費
トラック代・作業員の人件費・エアコンの取り外しと取り付け・不用品の処分費など、荷物を動かすために現実にかかるお金です。
目安は1戸あたり5万〜20万円。単身か家族か、荷物の量、エレベーターの有無、繁忙期(3〜4月)かどうかで変わります。この費目は見積書という形で金額の根拠が出せるため、争いになりにくい部分です。
②次の部屋を借りる初期費用
敷金・礼金・仲介手数料・保証会社の利用料・火災保険料・鍵交換代。引っ越し先を契約するために必要なお金です。
目安は家賃の4〜6か月分。ここは公共用地の補償基準でいう「借家人に対する補償」(第34条第1項)にあたる部分で、条文は「新たに当該建物に照応する他の建物の全部又は一部を賃借りするために通常要する費用を補償するものとする」と定めています。
「同じくらいの部屋を借り直すのに必要な実費」という考え方なので、これも金額の根拠が出しやすい費目です。
③家賃が上がる分の穴埋め(ここが一番膨らみます)
立退き料の金額を大きく左右するのは、この3つ目です。
築40年のアパートで、20年前から家賃4万円のまま据え置かれている部屋があるとします。この入居者が近隣で同じ広さの部屋を借り直すと、家賃は6万円かかります。差額は月2万円。この差額を一定期間ぶん補填する、という考え方です。
同じ公共用地の補償基準第34条第2項は、従前の賃借料が新たに借りる建物の賃借料相当額に比べて低額であると認められるときは「賃借りの事情を総合的に考慮して適正に算定した額を補償するものとする」と定めています。
さらに、国土交通省の不動産鑑定評価基準も同じ考え方を採っています。同基準は、賃貸人から明渡しの要求を受けた借家人が「不随意の立退きに伴い事実上喪失することとなる経済的利益等」を借家権の価格として捉え、その鑑定評価額を次のように求めるとしています。
当該建物及びその敷地と同程度の代替建物等の賃借の際に必要とされる新規の実際支払賃料と現在の実際支払賃料との差額の一定期間に相当する額に賃料の前払的性格を有する一時金の額等を加えた額(不動産鑑定評価基準 各論第3章第3節 Ⅲ 借家権)
つまり「家賃の差額 × 一定期間 + 一時金」というのが、公的な評価の世界でも使われている考え方だということです。
実務では差額 × 24〜36か月分で提示することが多く、先ほどの例なら2万円×30か月=60万円がこの費目だけで乗ります。逆に、家賃を周辺相場に合わせて改定してきたアパートなら、この費目はほとんど発生しません。
ここで気づいていただきたいのは、家賃を長年上げずに据え置いてきたアパートほど、立退き料が高くなるという構造です。「安く貸してあげていたのだから、出ていくときも安く済むはず」という直感とは、逆になります。
④迷惑料・手間の対価
法律にも補償基準にも根拠がない、純粋な交渉上の上乗せ分です。「早く出ていってほしい」という賃貸人側の都合に応じてもらうための調整金と考えてください。
目安は家賃の2〜6か月分。ただし、交渉が長引くほどここが膨らみます。急いでいる側が不利になる費目です。
4つを足すと1戸いくらになるか
家賃5万円・築40年・周辺相場との差額が月0.5万〜2万円の部屋で積み上げると、次のようになります。
| 費目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| ①引越しの実費 | 実費 | 5万〜20万円 |
| ②新居の初期費用 | 家賃の4〜6か月分 | 20万〜30万円 |
| ③家賃差額の補填 | 差額0.5万〜2万円 × 24〜36か月 | 12万〜72万円 |
| ④迷惑料 | 家賃の2〜6か月分 | 10万〜30万円 |
| 1戸あたり合計 | 約50万〜150万円 |
家賃の10か月分〜2年半分にあたります。冒頭で触れた「6か月〜2年分」という目安より上に出るのは、③が効くからです。
店舗・事務所が入っている場合は営業補償が別枠でのります
1階が店舗や事務所になっているアパートでは、①〜④とはまったく桁が変わります。
公共用地の補償基準は営業補償を第43条(営業廃止の補償)・第44条(営業休止等の補償)で別立てにしています。移転による売上減少・休業期間中の固定費・従業員の休業手当・得意先を失う損失などが対象になり、住居の立退き料の何倍にもなることが珍しくありません。
1階に長年営業している店舗が入っているアパートは、全戸退去を前提にした売却計画そのものを見直したほうが安全です。
相続で引き継いだアパートを見せていただくと、家賃を20年間一度も改定していない部屋が残っていることがあります。親御さんが入居者との関係を大事にされていた結果なのですが、売却のために退去をお願いする局面では、その優しさがそのまま立退き料の上乗せ分になって返ってきます。責める話ではなく、事前に金額として織り込んでおいてほしい、という意味でお伝えしています。
アパート1棟だと総額はいくらになるか
1戸あたりの金額が出たら、次は一棟分です。家賃5万円・全6戸・入居4戸・築40年の木造アパートを例に試算します。
| 費目 | 内訳 | 金額 |
|---|---|---|
| ①引越しの実費 | 5万〜20万円 × 4戸 | 20万〜80万円 |
| ②新居の初期費用 | 家賃4〜6か月分 × 4戸 | 80万〜120万円 |
| ③家賃差額の補填 | 差額0.5万〜2万円 × 24〜36か月 × 4戸 | 50万〜290万円 |
| ④迷惑料 | 家賃2〜6か月分 × 4戸 | 40万〜120万円 |
| 立退き料 小計 | 1戸あたり50万〜150万円 | 190万〜610万円 |
| 建物の解体費 | 木造6戸・アスベスト調査費別 | 150万〜300万円 |
| 弁護士費用 | 交渉を依頼する場合 | 30万〜100万円 |
| 合計(先に出ていくお金) | 約370万〜1,000万円 | |
| +売れるまでの固定資産税 | 更地化で住宅用地特例が外れます | 年10万〜30万円 |
金額は物件の状態・地域・入居者の事情で変わるため、あくまで考え方の一例です。それでも、はっきりしていることが2つあります。
1つ目は、これが全額「売れる前に出ていくお金」だということです。売却代金が入ってから精算できる費用ではありません。手元の現金か、借入で用意する必要があります。
2つ目は、4戸のうち1戸でも交渉がまとまらないと、更地にできないことです。3戸が退去に応じても、残る1戸が拒否すれば建物は壊せません。すでに支払った3戸分の立退き料は戻らず、空室からの家賃収入も止まったまま、時間だけが過ぎます。一棟アパートの立退きで一番怖いのは、平均額ではなくこの「最後の1戸」です。
そもそも「出ていってください」と言えるのか
金額の前に、法律上のルールを確認しておきます。ここを知らずに交渉に入ると、足元を見られます。
更新を断るには1年前〜6か月前の通知が必要(借地借家法第26条)
期間の定めがある賃貸借契約では、期間満了の1年前から6か月前までの間に更新をしない旨の通知をしなければ、従前と同一条件で契約を更新したものとみなされます(借地借家法第26条第1項)。
通知を出した場合でも、期間満了後に入居者が使用を継続していて賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ、やはり更新したものとみなされます(同条第2項)。タイミングを外すと、次の更新時期までもう一度待つことになります。
期間の定めがなければ、申入れから6か月(借地借家法第27条)
期間の定めのない賃貸借の場合、賃貸人が解約を申し入れると、申入れの日から6か月を経過することによって契約が終了します(借地借家法第27条第1項)。
つまり、どんなに話がスムーズにまとまっても、法律上は最低6か月かかるということです。「来月中に更地にして売りたい」という計画は、最初から成り立ちません。
正当事由がなければ、通知も申入れもできない(借地借家法第28条)
そして最大の壁が第28条です。条文は、賃貸人による更新拒絶の通知や解約の申入れは、次の事情を考慮して「正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない」と定めています。
- 賃貸人・賃借人が建物の使用を必要とする事情
- 賃貸借に関する従前の経過
- 建物の利用状況および建物の現況
- 賃貸人が明渡しの条件として、または明渡しと引換えに賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出
最後の「財産上の給付」が、立退き料のことです。ここから読み取っていただきたいのは、立退き料は正当事由そのものではなく、足りない正当事由を補う材料にすぎないということです。
「売りたいから出ていってほしい」という賃貸人側の事情だけでは、正当事由として弱いのが実情です。逆に、建物が倒壊の危険があるほど老朽化しているなど正当事由が強いケースでは、立退き料は低めに収まる傾向があります。建物の老朽化を示す資料(耐震診断結果・建築士の所見・修繕見積り)は、交渉前に揃えておくと効きます。
定期借家契約なら期間満了で終了します
契約書を確認して、定期借家契約(借地借家法第38条)になっていれば話は変わります。定期借家は更新がなく、期間満了で終了するため、正当事由も立退き料も原則として不要です。
相続したアパートでは普通借家契約であることがほとんどですが、まず契約書の種類を確認するところから始めてください。
立退き料を高くしてしまう5つの行動
実務で見てきた、金額を自分から吊り上げてしまうパターンです。
1. 期限を先に伝えてしまう 「11月までに更地にしたいんです」と伝えた瞬間、交渉の主導権は入居者側に移ります。期限は最後まで言わないでください。
2. 最初の1戸に高く払ってしまう アパートの入居者同士は顔見知りです。1戸目に100万円で合意すると、その金額は他の部屋に伝わります。一棟の立退きは、1戸目の金額が全戸の基準になります。
3. 口頭で約束してしまう 金額・退去日・原状回復の扱い・敷金の精算方法を書面にしないまま話を進めると、後から条件が動きます。合意書は必ず作成してください。
4. 退去してから払う約束をする 「出ていってくれたら払います」は、入居者側から見ればリスクしかなく、話が進みません。鍵の返還と支払いを同時に行う形が原則です。
5. 資格のない人に交渉を任せる 弁護士法第72条は、弁護士または弁護士法人でない者が報酬を得る目的で法律事件に関して代理・和解その他の法律事務を取り扱うことを業とすることを禁じています。不動産会社が報酬を得て立退き交渉を代理することはできません。「交渉もうちでやります」と言われたら、誰がどの立場で交渉するのかを確認してください。買取業者が物件ごと買い取ったうえで、買主として自ら対応するのであれば問題ありません。
立退き料を払って更地で売るか、入居中のまま買取に出すか
ここまでの金額を踏まえて、2つの道を並べます。
| A. 立退き料を払って更地で売る | B. 入居者がいるまま1棟買取 | |
|---|---|---|
| 期間 | 1年〜2年以上 | 最短2〜4週間 |
| 立退き料 | 190万〜610万円(4戸) | 0円 |
| 解体費 | 150万〜300万円 | 0円 |
| 仲介手数料 | かかります | 0円 |
| 先払いの現金 | 約370万〜1,000万円 | 0円 |
| 売却価格 | 更地価格に近い | 市場価格の7〜8割程度 |
| 最大のリスク | 1戸の拒否で全部止まる | 価格が下がる |
| 向いている方 | 資金と時間に余裕がある | 早く確実に手放したい |
Aの売却価格が高いのは事実です。しかし比べるべきは売却価格ではなく、「Aの売却価格 −(立退き料+解体費+仲介手数料+保有期間中の固定資産税)」と「Bの買取価格」です。この形で並べると、更地価格と買取価格の差より先払い費用のほうが大きく、逆転することがあります。
さらにAには、金額に出てこないコストがあります。1〜2年のあいだ、入居者との交渉・弁護士とのやり取り・解体業者の手配・空室の管理が続きます。遠方にお住まいの相続人にとっては、この時間と手間そのものが負担になります。
支払った立退き料は譲渡費用として差し引けます
Aを選ぶ場合、税金の扱いも押さえておいてください。
国税庁タックスアンサーNo.3255「譲渡費用となるもの」は、貸家を売るために借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料、および土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額を、譲渡費用として挙げています。
譲渡費用は譲渡所得の計算で売却代金から差し引けるため、支払った立退き料と解体費はそのぶん税負担を軽くします。合意書・領収書・振込記録は必ず保管してください。口頭で現金を渡した立退き料は、後から費用として説明することが難しくなります。
なお、修繕費・固定資産税・売却前の維持管理費は譲渡費用にあたらないとされています。
どちらが正解ということはありません。ただ、ご相談をお受けしていて感じるのは、Aを選ばれた方の多くが「立退き料の金額」を心配して始めて、実際には「終わらないこと」に消耗されるということです。金額は見積もれますが、交渉が何か月かかるかは相手次第で見積もれません。時間を自分でコントロールしたい方は、Bを一度は試算してみてください。
よくある質問
Q: 立退き料の交渉を入居者に断られ続けています。裁判で退去させられますか?
A: 建物明渡請求訴訟という手続きはありますが、認められるには借地借家法第28条の正当事由が必要で、裁判所が「立退料としていくら支払うなら明渡しを認める」という形で金額を示すことが多くなります。訴訟には1年以上かかることもあり、弁護士費用も別途必要です。時間と費用を考えると、訴訟に進む前に現況のままの売却を検討する価値はあります。
Q: 空室が多いアパートなら、立退き料は安く済みますか?
A: 総額は下がります。入居者がいない部屋には立退き料が発生しないためです。ただし空室が多いということは家賃収入も少ないため、収益物件としての評価額も下がります。全6戸中1〜2戸だけ入居という状態は、立退き交渉と現況売却のどちらでも判断が分かれるところなので、両方の金額を出して比べることをおすすめします。
Q: 入居者が高齢で、引っ越し先が見つからないと言っています。
A: 高齢の入居者は移転先の確保が難しく、借地借家法第28条の「賃借人が建物の使用を必要とする事情」が重く評価されるため、立退き料は高くなる傾向があります。金額を上げても合意に至らないケースもあります。この場合、入居者に住み続けてもらったまま所有者だけが変わる形(オーナーチェンジ・1棟買取)が、双方にとって現実的な着地になることが多いです。
Q: 立退き料を払った後で入居者が居座ったらどうなりますか?
A: そのために、支払いと明渡しは同時に行います。合意書には退去日・鍵の返還方法・支払いのタイミング・退去しなかった場合の取り決めを明記してください。先に全額を渡してしまうと、回収は法的手続きによることになり、実際には難しくなります。
Q: 家賃を滞納している入居者にも立退き料は必要ですか?
A: 長期の滞納がある場合、賃料不払いによる契約解除という別のルートがあり、立退き料なしで明渡しを求められる可能性があります。ただし解除が認められるには信頼関係の破壊といえる程度の滞納が必要で、判断には法的な検討が要ります。詳しくは「家賃滞納している入居者がいるアパートは売れる?」もご覧ください。
Q: 立退き料を払って更地にすれば、その分だけ高く売れますか?
A: 更地にすれば買主の幅は広がりますが、価格は立地と土地の形状で決まります。再建築不可の土地・接道が2m未満の土地では、更地にしても買主が限られ、期待した価格にならないことがあります。解体前に、更地にした場合の想定売却価格を確認してから着手してください。
まとめ
アパートの立退き料についてお伝えした要点は3つです。
- よく言われる「家賃の6か月〜2年分」は下振れした目安です。4つの費目を積み上げると1戸50万〜150万円(家賃の10か月〜2年半分)になることが多く、家賃を長年据え置いてきた部屋ほど高くなります。法律上の基準はありません
- 一棟で効いてくるのは単価ではなく総額と先払いです。4戸で立退き料190万〜610万円+解体費150万〜300万円、合計370万〜1,000万円が売れる前に出ていきます。しかも1戸でも交渉が決裂すれば計画全体が止まります
- 比べるのは売却価格ではなく手残りです。更地にして売った金額から先払い分を引いた額と、入居者がいるまま1棟で売った金額を並べてください
「立退き料がいくらになるか調べているうちに、何から手をつければいいかわからなくなった」という段階でも構いません。賃貸借契約書と家賃の一覧があれば、両方の金額をお出しできます。
「立退き料を払う前に、手残りを比べたい」方へ
「空き家のミカタ」では、入居者がいるアパートを現況のまま1棟で査定・買取しています。立退き交渉も立退き料も不要です。「立退き料を払って更地にした場合」と「今のまま売った場合」の手残りを並べた資料をお出ししますので、比べてからお決めください。大阪市24区を中心に対応しています。
「空き家のミカタ」を友だち追加してください
関連するガイド記事
- 入居者がいるアパートの売却方法|立退き交渉とオーナーチェンジ買取を徹底比較
- 相続した賃貸物件に入居者がいる場合の売却方法
- 相続アパート「売る・貸す・管理委託する」三択を徹底比較
- 家賃滞納している入居者がいるアパートは売れる?
- 相続した実家の解体費用が払えない|補助金・現況買取で費用ゼロで手放す3つの方法
このカテゴリの全ガイド一覧: → 相続不動産 完全ハブ【2026年版】
出典(2026年8月19日確認)
- 借地借家法 第26条・第27条・第28条・第38条(e-Gov法令検索・法令ID 403AC0000000090): https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090
- 弁護士法 第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止。e-Gov法令検索・法令ID 324AC1000000205): https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205
- 国土交通省「公共用地の取得に伴う損失補償基準」第31条・第32条・第33条・第34条・第37条・第43条・第44条: https://www.mlit.go.jp/common/001338606.pdf
- 国土交通省「不動産鑑定評価基準」各論第3章第3節 Ⅲ 借家権: https://www.mlit.go.jp/common/001204083.pdf
- 国税庁 タックスアンサー No.3255「譲渡費用となるもの」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3255.htm
本文中の金額の目安(1戸あたり家賃の6か月〜2年分、解体費150万〜300万円等)は、法令や公的な統計に基づく数値ではなく、当社が大阪市内の買取実務で見てきた範囲に基づく目安です。実際の金額は物件・入居者の事情・地域によって変わります。
画像: 「Apartment building in unidentified location in Japan - 画像 022」by ぶーーーーーた(Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)/「2020-08-16 Hikawa-cho,Nagata-ku,Kobe,Hyogo,Japan 神戸市長田区檜川町の文化住宅 DSCF8330」by 松岡明芳(Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)/図版は空き家のミカタ編集部作成
執筆監修: 八木宏樹(合同会社アルシェ代表・宅建業免許: 大阪府知事(1)第65646号)|空き家のミカタ代表。専門分野: 相続アパート・入居者付き賃貸物件の1棟買取・訳あり不動産の直接買取。大阪市24区を中心に、立退き交渉を経ずに手放す方法のご相談に対応しています。