大阪で任意売却できるのはいつまでか|滞納から競売までの月次カレンダーと3つの出口【2026年版】
大阪で任意売却ができる期限は、「売却許可決定が確定した日」までです。競売の入札で買受人が決まると裁判所が売却許可決定を出し、それが確定すると買受人は裁判所書記官の定める期限までに代金を納めます(民事執行法78条1項)。代金が納付された時点で所有権は買受人へ移り、こちらから売る余地はなくなります。
そして大阪地方裁判所本庁が実際に公表している期間入札の日程を見ると、期間入札の公告日から確定日までは、およそ50〜60日しかありません。
「競売の紙が届いた」と気づいてから使える時間は、思っているより短いということです。この記事では、住宅ローンの滞納から競売の完了までを月ごとの流れに置き直し、大阪地方裁判所本庁と堺支部が公表している実際の日程を並べて、「今どこにいて、あと何日あるのか」がわかる形にまとめました。
なお、この記事は不動産を売る側の実務の話です。残った借金の整理(個人再生・自己破産など)は弁護士、登記の手続きは司法書士、税金の計算は税理士の分野になります。
結論:締切は「売却許可決定の確定日」で、公告からは2か月弱しかありません
先に結論を3つにまとめます。
- 任意売却の締切は、競売の売却許可決定が確定する日です。それ以降は買受人が代金を納めるだけの段階に入ります(民事執行法78条1項)
- 大阪地方裁判所本庁の期間入札は、公告日から確定日までおよそ50〜60日で回っています。公告を見てから動き出すと、債権者との調整と買主探しを2か月弱で終わらせることになります
- 実質的な分岐点は、その手前にある「期限の利益の喪失」と「代位弁済」です。ここを過ぎると窓口が金融機関から保証会社・サービサーへ移り、話の内容が「返済の相談」から「回収の相談」に変わります
よく「競売の通知が来たらもう終わり」と思われていますが、そうではありません。開始決定は入口であって出口ではありません。逆に、「まだ督促状だけだから大丈夫」と放置しているうちに、いちばん選択肢が多い時期を使い切ってしまう方のほうが多いのが実情です。
滞納から競売までを月次カレンダーに置き直すとこうなります

住宅ローンが払えなくなってから家が人手に渡るまでは、次の6つの段階を通ります。
| 段階 | 起きること | このとき使える出口 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 返済が苦しいと感じた時点(滞納なし) | 返済方法の変更/仲介で売る/買取で売る/住み替え |
| 第2段階 | 滞納中(期限の利益はまだある) | 返済方法の変更/仲介で売る/買取で売る |
| 第3段階 | 期限の利益の喪失 → 保証会社の代位弁済 | 任意売却/買取で売る(債権者の同意が要る) |
| 第4段階 | 競売の申立て → 開始決定・差押えの登記 | 任意売却/買取で売る(残り時間が減る) |
| 第5段階 | 期間入札の公告 → 入札 → 開札 → 売却許可決定 → 確定 | 確定した時点で締切 |
| 第6段階 | 買受人が代金を納付 → 引渡命令 | なし |
ここで大事なのは、第1段階から第3段階までの長さは、金融機関との契約によって決まるという点です。何か月滞納したら期限の利益を失うかは、お手元の金銭消費貸借契約証書に書かれています。「3か月で代位弁済」といった一律の日数はありません。ネット上でよく見かける月数は、あくまで一般的な例です。ご自身の契約書の該当条項を読むか、金融機関に確認するのが正確です。
一方で、第4段階から先の長さは、裁判所の手続きで決まるため、外から日数が読めます。次の章がその日数です。
第1段階・第2段階:まだ全部の出口が開いている時期
滞納が始まる前、あるいは滞納していても期限の利益を失っていない段階では、選択肢がいちばん多く残っています。
住宅金融支援機構の融資(フラット35など)を利用している場合は、返済方法の変更を申し出ることができます。機構は返済が困難になった方向けに、返済期間の延長などのAタイプ、一定期間の返済額を減らすBタイプ、ボーナス返済分を変更または取りやめるCタイプという3つのメニューを用意しており、返済方法変更の手数料はかかりません。申請は機構ではなく、返済中の金融機関に連絡するのが窓口です。ただし審査があるため希望どおりになるとは限らず、返済期間を延ばした場合は総返済額が増えることがある点も、機構自身が案内しています。
この時期であれば、通常の仲介で売ることもできます。売却代金でローンを完済できるなら、そもそも任意売却の話にはなりません。まず「今売ったらいくらか」を知ることが、返済の相談の材料にもなります。
第3段階:期限の利益の喪失と代位弁済で、話す相手が変わります
滞納が続くと、契約で定められた条件により期限の利益を失います。これは「毎月分割で返してよい」という約束がなくなることで、残っている額をまとめて請求されることになります。
その後、保証会社が本人に代わって金融機関へ残額を支払う代位弁済が行われると、請求してくる相手が金融機関から保証会社(さらにサービサーへ譲渡される場合もあります)に変わります。ここから先は「返済の相談」ではなく「回収をどう終わらせるか」の話になり、任意売却の実務もここから本格化します。
なお、代位弁済は信用情報に登録される事実です。全国銀行個人信用情報センターの場合、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む取引情報は、契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間登録されます。この点はあとの章でもう一度詳しく触れます。
第4段階:開始決定が出て、登記に「差押」が入ります
住宅ローンの滞納で行われる競売は、正確には担保不動産競売です。抵当権という担保権を実行する手続きで、担保権の登記がされた不動産についての申立てがあったときに開始します(民事執行法180条1号・181条1項1号)。判決などの債務名義がなくても、抵当権の登記があれば申し立てられるという点が、一般の借金の取立て(強制競売)と違うところです。
開始決定がされると、裁判所書記官が直ちに差押えの登記を嘱託します(同法48条1項。担保不動産競売にも188条により準用されます)。登記簿の甲区に「差押」と記載されるのはこの段階です。その後、執行官が現況調査を行い、評価人が評価をして、執行裁判所が売却基準価額を定めます(同法60条1項)。裁判所書記官は物件の表示や権利関係をまとめた物件明細書を作成し、閲覧できるようにします(同法62条)。この物件明細書・現況調査報告書・評価書が、いわゆる「3点セット」です。
この段階でも、任意売却も買取もまだできます。ただし、抵当権を消してもらう必要がある以上、債権者の同意が前提になります。同意を得る調整に何週間もかかるため、残り時間の計算が重要になります。
大阪地方裁判所の期間入札スケジュール(本庁・堺支部の実際の日付)
裁判所は不動産競売物件情報サイト(BIT)で、庁ごとの売却スケジュールを公表しています。2026年9月5日時点で大阪地方裁判所本庁と堺支部に掲載されている日程は次のとおりです。
| 庁 | 公告日 | 入札期間 | 開札日 | 売却決定期日 | 確定日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 本庁 | 2026/09/02 | 09/16〜09/25 | 10/02 | 10/16 | 10/24 |
| 本庁 | 2026/09/18 | 10/05〜10/13 | 10/20 | 11/04 | 11/12 |
| 本庁 | 2026/10/06 | 10/21〜10/29 | 11/05 | 11/18 | 11/26 |
| 本庁 | 2026/10/22 | 11/06〜11/13 | 11/20 | 12/04 | 12/12 |
| 本庁 | 2026/11/19 | 12/08〜12/15 | 12/21 | 2027/01/08 | 2027/01/16 |
| 堺支部 | 2026/09/18 | 10/07〜10/15 | 10/22 | 11/05 | 11/13 |
| 堺支部 | 2026/10/16 | 11/04〜11/12 | 12/03 | 12/11 | 12/17 |
この表から読み取れることは3つあります。
1つ目は、公告から確定までがおよそ50〜60日だということです。たとえば本庁の2026年10月6日公告の回は、確定日が11月26日で51日後です。10月22日公告の回は12月12日確定で51日後、11月19日公告の回は翌年1月16日確定で58日後になります。年末年始を挟む回は少し長くなりますが、おおむね2か月弱で1周します。
2つ目は、入札期間そのものは8〜10日しかないということです。公告が出てから入札が締め切られるまでは、本庁の例で3〜4週間です。この短さが、「気づいたときには入札が終わっていた」という事態を生みます。
3つ目は、堺支部の日程が本庁とずれているということです。大阪市内の物件は本庁、堺市など府南部の物件は堺支部というように、所在地で係属先が変わり、日程も別に組まれています。ご自身の物件がどちらかは、届いた開始決定の通知に書かれた裁判所名でわかります。
なお、期間入札の公告は入札期間が始まる日の2週間前までに裁判所の掲示場または庁舎内の掲示板に掲示されます。公告には売却される不動産、入札期間、開札期日の日時と場所、売却基準価額、買受可能価額、保証の額などが記載されます。売却決定期日は、裁判所書記官が売却を実施させる処分と同時に指定します(民事執行法64条4項)。
大阪地方裁判所で不動産執行を担当しているのは執行部(第14民事部)で、執務場所は大阪市淀川区三国本町の民事執行センターです。大阪地方裁判所の本庁舎(北区西天満)とは別の建物なので、書類を持って行く際は行き先を間違えないようご注意ください。冒頭の写真がその庁舎です。
今どの段階にいるかは、手元の3つの書類で判定できます
ご相談のときにいちばん多いのが、「自分が今どの段階かわからない」というお困りごとです。判定は難しくありません。届いた書類の名前を見れば決まります。
| 手元にある書類 | 今いる段階 | 残っている出口 |
|---|---|---|
| 督促状・催告書だけ | 第2段階 | 返済方法の変更/仲介/買取。まだ全部使えます |
| 「期限の利益の喪失」の通知 | 第3段階の入口 | 一括請求されています。売却の検討を始める時期です |
| 保証会社からの「代位弁済のお知らせ」 | 第3段階 | 任意売却/買取。窓口は保証会社・サービサーです |
| 裁判所からの「担保不動産競売開始決定」 | 第4段階 | 任意売却/買取。残り時間の逆算が必要です |
| 「現況調査」で執行官の訪問があった | 第4段階の後半 | 同上。売却基準価額の決定が近づいています |
| 期間入札の公告が出た(BITに掲載) | 第5段階 | 確定日までがタイムリミットです |
| 「売却許可決定」が出た | 第5段階の終わり | 確定すると締切です |
登記簿を取ると、より確実に確認できます。甲区に「差押」の登記があれば競売が始まっています。登記事項証明書の手数料は、書面請求で1通600円、オンライン請求の場合は窓口交付490円・送付520円です(法務省の定めによる金額)。
判定に迷ったら、いちばん新しく届いた書類の日付と差出人を控えて、そのままご相談ください。書類の名前がわかれば、残り時間と使える手はその場でお伝えできます。
競売・任意売却・現況買取の3つの出口を並べて比べる
出口は3つあります。それぞれ性格が違うので、金額だけでなく「いつ出ていくか」「誰に知られるか」も含めて比べてください。
| 比べる項目 | 競売 | 任意売却 | 現況買取 |
|---|---|---|---|
| 売る相手 | 裁判所の入札で決まった人 | 一般の買主(仲介) | 買取業者 |
| 価格の下限 | 買受可能価額=売却基準価額の8割 | 債権者が同意した金額 | 業者の提示額 |
| 決まるまでの日数 | 入札期間の締切と開札日で決まる | 買主が見つかるまで読めない | 短い(当社は現地確認後に提示) |
| 引越し費用 | 売却代金からは出せない | 配分の交渉ができる場合がある | 配分の交渉ができる場合がある |
| 引渡しの期日 | 自分では決められない | 買主と相談して決める | こちらの都合に合わせやすい |
| 近隣に知られるか | 公告とBITで公開される | 通常の売り出しと同じ | 売り出し広告を出さずに進められる |
| 残った借金 | そのまま残る | 分割の交渉ができる場合がある | 分割の交渉ができる場合がある |
競売の価格には、法律で下限が決まっています。執行裁判所が評価人の評価にもとづいて売却基準価額を定め、入札できる金額はそこから10分の2を差し引いた買受可能価額以上でなければなりません(民事執行法60条1項・3項)。つまり売却基準価額の8割が入札の下限です。ただし、その売却基準価額そのものが、室内を自由に見られないこと・引渡しは買受人の負担で行うことなど、競売特有の事情を織り込んで決められます。落札額が最終的にいくらになるかは入札した人の数と金額で決まるため、事前に「何割になります」と申し上げることはできません。そう言い切る業者がいたら、根拠を確かめてください。
引渡しについても差があります。代金を納付した買受人は、執行裁判所に引渡命令を申し立てることができ(同法83条1項)、その申立ては代金を納付した日から6か月を経過するとできなくなります(同条2項。買受けの時に抵当建物使用者が占有していた建物の場合は9か月)。つまり競売では、出ていく日をこちらで決められません。任意売却や買取であれば、決済日と引渡日を相談して決められます。
3つのうちどれを選ぶかは、残り時間で変わります。時間があるなら任意売却で一般の市場に出したほうが金額は伸びやすく、時間がないなら買取のほうが確実です。どちらか一方しか提案しない相手には、その理由を聞いてください。買取価格がなぜ市場価格より低くなるのかは、買取価格が安くなる原価の内訳で分解しています。
記録に残る差と、近隣に知られる差

「競売になると信用情報に傷がつくから、任意売却にしたい」というご相談をよくいただきます。ここは誤解が多いところなので、正確に整理します。
信用情報に登録されるのは、競売や任意売却という売り方ではなく、その手前で起きた事実のほうです。全国銀行個人信用情報センターでは、取引情報として延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む情報が、契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間、登録されます。官報に掲載された情報(自己破産など)は7年を超えない期間、本人申告情報と貸付自粛情報は5年を超えない期間です。
つまり、代位弁済に至っている時点で、競売にしても任意売却にしても記録される内容は変わりません。「任意売却なら記録が残らない」という説明は正確ではありません。任意売却を選ぶ理由は、記録を消せるからではなく、価格・引越し費用・引渡し日・残債の相談余地といった手元に残るものと生活の立て直しやすさにあります。
近隣に知られるかどうかには、はっきりした差があります。競売になると、期間入札の公告が裁判所の掲示場に掲示され、物件の情報はBITで公開されます。誰でも住所と写真を見られる状態になるということです。任意売却は通常の売り出しと同じ扱いなので、事情までは伝わりません。買取であれば、売り出し広告を出さずに進めることもできます。「ご近所に知られたくない」が最優先であれば、この差はかなり大きく効きます。この点は近所に知られずに家を売る方法でも詳しく扱っています。
残債については、どの方法でも消えません。売却代金でローンを返しきれなかった分は残ります。任意売却は債権者と話し合いながら進めるため、売却後の残債について分割の相談に応じてもらえる場合がありますが、応じるかどうかは債権者の判断であり、約束できるものではありません。残債そのものの整理は弁護士の分野です。売却後にお金がどう流れるかは任意売却後に残った残債はどうなるかにまとめています。
相続した家に住宅ローンが残っているときは、固定資産税もあわせて動きます
ご相談の中で意外に多いのが、親から相続した家に住宅ローンが残っていて、そのまま滞納が始まってしまったというケースです。この場合、動いている期限が2つあります。
1つはここまで見てきた競売のカレンダーです。もう1つが固定資産税です。空き家を相続すると、固定資産税の負担が変わることがあります。住宅が建っている土地には固定資産税の課税標準を下げる住宅用地特例がありますが、地方税法349条の3の2の括弧書きにより、勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地は住宅用地から除かれます。つまり、放置して勧告を受けると特例が外れ、土地の税額が上がります。「空き家を相続したときの固定資産税の減免制度」を探している方がよくいらっしゃいますが、正確には減免を探すより、勧告を受けない状態を保つか、早めに手放すほうが効きます。詳しくは空き家の固定資産税が6倍になる条件にまとめました。
固定資産税そのものを滞納している場合は、競売とは別に自治体による差押えが動きます。こちらは空き家の固定資産税を滞納すると差押えはどうなるかで扱っています。分譲マンションで管理費の滞納も重なっている場合は、管理費を滞納したマンションの買取もあわせてご覧ください。
期限が2つ同時に走っているときは、遅いほうではなく早いほうに合わせて動くのが原則です。競売の確定日が2か月後なら、固定資産税の話を先に片づけている時間はありません。
大阪市24区でこのご相談を受けるとき、私たちが最初に確認すること
ここからは、実際にご相談をお受けしているときの手順です。他社のまとめ記事にはあまり書かれていない部分なので、そのまま書きます。
最初に聞くのは金額ではなく、書類の名前と日付です。「督促状が3通」なのか「代位弁済のお知らせが1通」なのかで、その日から使える手がまったく変わるためです。査定額を先に出しても、締切がわからなければ意味のある比較になりません。
次に、登記簿で抵当権の順位と差押えの有無を見ます。抵当権が2番、3番まで付いていると、任意売却のときに全員から抹消の同意を取る必要があり、調整の難易度が上がります。順位の高い債権者だけが納得しても話は進みません。この確認を飛ばして「買えます」と言う業者には注意してください。買取業者の見分け方は買取業者の手口を見抜く5つのポイントにまとめています。
3つ目に、物件の場所で相場の出し方を変えます。大阪市24区といっても、区ごとに買い手の付き方がまったく違います。たとえば平野区の不動産買取の相場を左右する要因では、長屋・接道・再建築の可否が価格を決めます。一方、福島区のワンルームマンションの査定では、賃料と管理状況のほうが効きます。同じ「大阪市内」でも、時間がないときにどちらの出口が現実的かは区によって変わります。
最後に、引越し先と引越し費用の見通しを一緒に立てます。ここが抜けたまま売却だけ決まると、決済日に行き先がないという事態になります。競売では引越し費用を売却代金から出せませんが、任意売却や買取であれば配分の相談ができる場合があります。相談ができるという事実と、必ず出るという約束は別のものですので、その点も含めて最初にお伝えしています。
なお、当社が扱えるのは「その家をいくらで、どういう順序で手放せるか」の部分です。残債の整理は弁護士、登記の申請は司法書士、譲渡所得税の計算は税理士へご確認ください。そこを曖昧にしたまま全部を引き受けると言う相手のほうが、かえって危険です。
よくあるご質問
Q. 開始決定が届いてから任意売却を始めても間に合いますか。
間に合う場合が多いですが、余裕はありません。開始決定から期間入札の公告までには現況調査と評価の期間があるため、そこから債権者の同意を取り、買主を決め、決済まで進めることになります。公告が出てからでは、確定日まで2か月弱です。開始決定が届いた日に動き始めてください。
Q. 競売の申立てを取り下げてもらうことはできますか。
申立てを取り下げるかどうかは、申し立てた債権者の判断です。任意売却の話がまとまり、債権者が回収額に納得すれば取り下げられることがあります。こちらから取り下げを求める権利があるわけではないので、「取り下げさせます」と断言する相手には根拠を確認してください。
Q. 家族に知られずに進められますか。
共有名義であれば、共有者全員の同意がなければ売れません。単独名義でご家族が同居している場合でも、引渡しの日には全員が退去する必要があるため、どこかの時点で共有せざるを得ません。ただし、ご近所や職場に知られずに進めることは可能です。売り出し広告を出さずに買取で進める方法があります。
Q. すでに売却許可決定が出ています。もう何もできませんか。
確定してしまえば、買受人が代金を納めるのを待つ段階になります。ただし、この段階でも引越し先の確保と退去の準備という「やるべきこと」は残っています。代金納付から6か月以内は引渡命令の申立てができるため、こちらから何も動かないまま日を過ごすのがいちばん困ります。他に不動産をお持ちの場合は、そちらが同じ道をたどらないよう先に整理することも検討してください。
Q. 相談したら、必ず売らないといけませんか。
そのようなことはありません。「まだ売ると決めたわけではないが、締切だけ知っておきたい」というご相談を多くいただいています。書類の名前と日付をお伝えいただければ、残り時間と使える選択肢をお伝えします。
まとめ
- 任意売却の締切は「売却許可決定が確定した日」です。それ以降は買受人が代金を納めるだけの段階に入り、こちらから売る余地はなくなります(民事執行法78条1項)
- 大阪地方裁判所本庁の期間入札は、公告日から確定日までおよそ50〜60日で回っています。公告を見てから動くと、債権者との調整と買主探しを2か月弱で終えることになります。入札期間そのものは8〜10日です
- 今どの段階かは、手元に届いた書類の名前でわかります。督促状だけなら全部の出口が残っていますし、代位弁済の通知が来ていれば窓口は保証会社に移っています。判定に必要なのは金額ではなく、書類の名前と日付です
- 信用情報に登録されるのは売り方ではなく、延滞や代位弁済といった事実のほうです。「任意売却なら記録が残らない」という説明は正確ではありません。任意売却や買取を選ぶ理由は、価格・引越し費用・引渡し日・残債の相談余地にあります
「まだ売ると決めたわけではないけれど、あと何日あるのかだけ知りたい」——その段階のご相談を歓迎しています。査定は無料で、その後のご連絡をこちらから重ねることもありません。
空き家のミカタを運営しているのは、大阪市生野区に事務所を構える合同会社アルシェです(宅地建物取引業免許 大阪府知事(1)第65646号)。大阪市24区の空き家・長屋・再建築不可物件・事故物件・共有持分を専門に扱っており、住宅ローンが残ったまま・相続登記が未了・差押えの登記が入ったままの状態でも査定にお応えできます。なお、残債の整理と債務整理は弁護士、登記の代理申請は司法書士、譲渡所得税の計算と申告は税理士へご確認ください。担当するのは、その家をいくらで、どういう順序で手放せるかの部分です。
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出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「民事執行法」(48条1項 差押えの登記の嘱託/60条1項・3項 売却基準価額と買受可能価額=売却基準価額からその10分の2に相当する額を控除した価額/62条 物件明細書/64条4項 売却決定期日は裁判所書記官が売却を実施させる処分と同時に指定/78条1項 売却許可決定が確定したときは買受人は裁判所書記官の定める期限までに代金を納付/83条1項・2項 引渡命令と代金納付から6か月(抵当建物使用者が占有していた建物は9か月)の申立期限/180条1号 担保不動産競売/181条1項1号 担保権の登記がされた不動産についての申立て/188条 不動産執行の規定の準用)
- 裁判所「BIT 不動産競売物件情報サイト」大阪地方裁判所本庁 売却スケジュール(公告日・入札期間・開札日・売却決定期日・確定日。2026年9月5日時点の掲載内容)
- 裁判所「BIT 不動産競売物件情報サイト」大阪地方裁判所堺支部 売却スケジュール(同上)
- 裁判所「BIT 用語解説 期間入札の公告」(入札期間が始まる日の2週間前までに裁判所の掲示場か庁舎の中の掲示板に掲示/記載事項は売却される不動産・入札期間・開札期日の日時と場所・売却基準価額・買受可能価額・保証の額や提供方法など)
- 大阪地方裁判所「執行部(第14民事部)」(不動産執行・債権執行等を担当/大阪市淀川区三国本町の執行部等合同庁舎内の民事執行センターで執務/代金納付手続・引渡命令申立ての案内)
- 住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」(返済中の金融機関へ連絡/Aタイプ 返済期間の延長等・Bタイプ 一定期間の返済額減額・Cタイプ ボーナス返済分の変更や取り止め/返済方法変更の手数料は不要/審査結果によって希望に添えない場合がある/総返済額が増えることがある)
- 住宅金融支援機構「返済方法変更のメニュー」(タイプ別のメニューと組み合わせ)
- 全国銀行個人信用情報センター「センターに登録されている情報とその登録期間」(取引情報=契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間・延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む/官報情報=7年を超えない期間/本人申告情報・貸付自粛情報=5年を超えない期間)
- e-Gov法令検索「地方税法」(349条の3の2 住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例。勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地を住宅用地から除く旨の括弧書き)
- 法務省「登記手数料」(登記事項証明書=書面請求600円・オンライン請求送付520円・オンライン請求窓口交付490円)
画像クレジット: 冒頭「Osaka District Court Enforcement Division 1」by Ebiebi2(Wikimedia Commons, CC0・記事に合わせてトリミング)。流れの図・スケジュール表・比較図は空き家のミカタ編集部作成。