相続が調停・審判になったら不動産はどうなる?特別送達が届いてから登記までの手順【2026年版】
結論:遺産分割の調停が不成立になると、遺産分割については自動的に審判へ移ります(家事事件手続法272条4項)。審判が出ても、その場では確定しません。告知を受けた日から2週間の即時抗告期間が過ぎて初めて確定します(同法74条4項・86条)。確定したら、審判書の謄本と家庭裁判所が出す確定証明書を添えて、不動産を取得した方が一人で相続登記を申請できます(不動産登記法63条2項)。他の相続人の印鑑証明書は要りません。登記の期限は、遺産の分割の日から3年以内です。
家庭裁判所から分厚い封筒が届いた。差出人は裁判所で、受け取りにサインを求められた——。この記事を読まれている方の多くは、そういう状況にあるのではないかと思います。
「裁判になった」と聞くと身構えてしまいますが、遺産分割の調停や審判は、刑事事件のような「争って負ける手続き」ではありません。話し合いがまとまらないときに、分け方を決めてもらうための手続きです。そして最終的には、不動産の名義をどう変えるかという実務に着地します。
この記事では、特別送達が届いたところから、審判が確定して法務局に登記を入れるまでを、法令と裁判所が公開している資料に沿って順にお伝えします。調停や審判そのものの費用・期間の全体像は遺産分割調停とは?不動産で揉めた場合の流れ・費用・解決策にまとめていますので、あわせてご覧ください。
この記事のポイント
- 特別送達は受け取りを拒んでも効力が生じます(民事訴訟法106条3項の差置送達)
- 調停不成立 → 申立てをやり直さなくても審判に移ります(家事事件手続法272条4項)
- 審判は出た瞬間には確定せず、告知から2週間が過ぎて確定します(同法86条)
- 確定後は取得した相続人が単独で登記申請できます(不動産登記法63条2項)
- 確定証明書は1件150円、登録免許税は不動産の価額の0.4%
特別送達が届いたら、まず何が起きているのか
裁判所からの書類は、特別送達という郵便で届きます。普通郵便のようにポストに入るのではなく、郵便配達員が受取人に手渡しし、受け取った事実を記録する方式です。
郵便法49条は、特別送達の取扱いについて「当該郵便物を民事訴訟法第百条第一項及び第百三条から第百六条までに掲げる方法により、送達し、その送達の事実を証明する」と定めています。「誰にいつ渡したか」が公的に記録される郵便だとお考えください。
受け取りを拒んでも、手続きは止まりません
ここが最も誤解されている点です。受け取りを拒否すれば話がなかったことになる、ということはありません。
民事訴訟法106条3項は、送達を受けるべき方が「正当な理由なくこれを受けることを拒んだときは、書類の送達をすべき場所に書類を差し置くことができる」と定めています。これを差置送達といい、玄関先などに置いていくことで送達の効力が生じます。
また同法106条1項により、本人が不在でも、同居の家族や使用人など「書類の受領について相当のわきまえのあるもの」に交付すれば送達は成立します(補充送達)。ご家族が受け取ってしまえば、それで届いたことになります。
さらに、住所がわからない場合には公示送達という方法があります(同法110条)。「居場所を知られなければ進まない」という逃げ道は、制度として塞がれています。
封筒の中に入っているもの
遺産分割調停の申立てを受けた相手方には、おおむね次のものが届きます。
| 書類 | 何を求められているか |
|---|---|
| 調停期日の呼出状 | 指定された日に家庭裁判所へ来てくださいという通知です |
| 申立書の写し | 誰が何を求めて申し立てたかが書かれています |
| 照会回答書 | 手続きの進行についての意向を書いて返送します |
| 事情説明書 | 遺産や相続人についてのご事情を書く書面です |
| 連絡先等の届出書 | 裁判所からの連絡先を届け出るものです |
期限が書かれた返信用の書類が入っていることが多いので、封を切ったらまず期限を探してください。返信しないまま期日にも出ないと、こちらの言い分が一切記録に残らないまま話が進みます。
調停に出ないと、審判に移って自分の言い分が消えます
「行きたくない」「顔を合わせたくない」というお気持ちは、実際によくうかがいます。ただ、欠席は手続きを止める手段になりません。
大阪家庭裁判所 家事第3部遺産分割係の説明資料には、「当事者が調停期日に出席しないこと等から、裁判所が合意する見込みがないと判断した場合には、調停は不成立となり、審判手続に移行します(新たに審判の申立てをする必要はありません。)」と明記されています。
法律上の根拠は家事事件手続法272条4項です。同項は、調停が不成立で終了した場合、別表第二に掲げる事項(遺産分割はこれにあたります)については「家事調停の申立ての時に、当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなす」と定めています。申立てをやり直す必要がないため、手続きは途切れずに続きます。
裁判所のウェブサイトも、遺産分割調停について「話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,裁判官が,遺産に属する物又は権利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して,審判をすることになります」と説明しています。
出席が難しい場合の実務的な選択肢
やむを得ない事情がある場合の扱いも、大阪家庭裁判所の資料に書かれています。「遠方に居住している、病気や怪我、その他の理由によって期日に出席することが困難な場合は、裁判所の判断により、ウェブや電話を利用して期日に」参加できるとされています。
大阪市内の実家を相続したものの、ご自身は関東や九州にお住まいというご相談は珍しくありません。「遠くて行けないから欠席する」の前に、裁判所へ電話で事情を伝えてください。ウェブ会議や電話での参加を認めてもらえる可能性があります。
調停で決まる場合と、審判で決まる場合の違い
不動産の扱いという観点では、この2つは似て非なるものです。
| 調停 | 審判 | |
|---|---|---|
| 決め方 | 相続人全員の合意 | 裁判官の判断 |
| 1人でも反対したら | 成立しません | 反対があっても決まります |
| できあがる書面 | 調停調書 | 審判書 |
| 書面の効力 | 確定判決と同一の効力(家事事件手続法268条1項) | 確定すれば効力が生じます(同法74条2項) |
| 分け方の自由度 | 合意さえあれば柔軟に決められます | 法律の枠内に限られます |
| 不動産を売って分ける場合 | 任意売却の方法や価格も合意で決められます | 競売になることがあります |
最大の違いは、最後の行です。
大阪家庭裁判所の資料は、審判の限界についてこう述べています。「審判による分割方法には限界があります(例えば、競売でしか分けられない場合など)から、相続人各自の生活状況や希望に沿えない結論にならないようにするためにはどうしても一定の合意をしなければならない場合があります。したがって、機会があればいつでも話合いで解決する用意があるという気持ちを最後まで失わないように努めてください。」
裁判所自身が「審判では希望どおりにならないことがある」と言っている、という点は知っておいて損はありません。
調停が終わっても審判に移らないケースがあります
これはあまり知られていないのですが、調停が終わったのに審判へ進まないパターンが存在します。
大阪家庭裁判所の資料によれば、相続人の範囲や遺産の範囲といった遺産分割の前提となる問題について当事者の言い分が食い違い、話し合いで合意ができないケースでは、先に人事訴訟や民事訴訟で前提問題を解決すべき場合があります。そうした場合には「いったん調停を取り下げてもらったり、『調停をしない』旨の決定をして調停を終了させたりする場合があります。この場合には、調停手続から審判手続へ移行することもありません」とされています。
具体的には、次のような争いです。
- 戸籍上の親子関係が真実と違うという主張がある(養子縁組や婚姻の有効・無効)
- その不動産が本当に亡くなった方の所有だったのかで争いがある
- 遺言書の効力について意見が割れている
これらは家庭裁判所の遺産分割手続きでは決着しません。地方裁判所での民事訴訟が先になります。「調停が終わったのに何も決まらないまま戻された」という場合、この前提問題が原因である可能性があります。その間も不動産は亡くなった方の名義のまま残り続けます。未登記のまま放置した場合のリスクは相続登記をせずに放置したらどうなる?にまとめています。
審判が出てから確定するまでの2週間
審判書が届いた日が、ゴールではありません。ここから2週間、待つ期間があります。
家事事件手続法76条1項により、審判は審判書を作成して行われます。審判書には主文・理由の要旨・当事者及び法定代理人・裁判所が記載されます(同条2項)。
そして同法74条は、効力についてこう定めています。
- 2項ただし書:「即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じない」
- 4項:「審判は、即時抗告の期間の満了前には確定しないものとする」
- 5項:「審判の確定は、前項の期間内にした即時抗告の提起により、遮断される」
その即時抗告の期間が、同法86条1項の「二週間の不変期間」です。同条2項により、期間は審判の告知を受けた日から進行します。告知を受ける方が複数いる場合は、そのうち最も遅い日が起算点になります。
2週間のあいだに何が起きうるか
| 起きること | その後どうなるか |
|---|---|
| 誰も即時抗告をしない | 2週間の経過で審判が確定します。登記に進めます |
| 他の相続人が即時抗告をした | 確定が遮断され、高等裁判所での審理になります |
| ご自身が結論に納得できない | 2週間以内に即時抗告をする必要があります |
この2週間は、動かせません。「審判書が届いてから内容を弁護士に見てもらおう」と考えていると、あっという間に過ぎます。審判書が届いたら、その日のうちに日付を確認して、2週間後をカレンダーに書き込んでおいてください。
なお、審判書に計算違いや誤記など明白な誤りがあるときは、家庭裁判所が申立てまたは職権でいつでも更正決定をすることができます(同法77条1項)。不動産の地番や面積が登記簿と食い違っていると登記が通らないことがありますので、審判書が届いたら登記事項証明書と突き合わせて確認してください。
確定したら、不動産の登記は一人で申請できます
ここからが、この記事の本題です。
不動産の登記は、原則として登記権利者と登記義務者が共同で申請しなければなりません(不動産登記法60条)。売買であれば、売主と買主が一緒に申請します。
ところが相続の場合は違います。不動産登記法63条2項は「相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる」と定めています。
遺産分割の審判や調停で不動産を取得した場合も、登記の原因は「相続」です。したがって、取得した相続人がお一人で法務局へ申請できます。他の相続人に実印を押してもらう必要も、印鑑証明書をもらう必要もありません。
これは実務上とても大きな意味を持ちます。調停や審判にまで至った関係で、相手方に「印鑑を押してください」とお願いするのは現実的ではないからです。制度は、そこを見越して単独申請を認めています。
用意する書類
遺産分割協議がまとまった場合との違いは、登記原因証明情報として何を出すかです。
| 場面 | 登記原因証明情報 |
|---|---|
| 協議がまとまった | 遺産分割協議書+相続人全員の印鑑証明書 |
| 調停が成立した | 調停調書の謄本 |
| 審判が確定した | 審判書の謄本+確定証明書 |
審判の場合に確定証明書が要るのは、前の章で見たとおり審判は確定しなければ効力を生じないからです。審判書だけでは「確定しているかどうか」が法務局にはわかりません。だから家庭裁判所が「この審判は確定しています」と証明した書面をセットで出します。
このほかに、次のものが必要になります。
- 登記申請書(法務局のウェブサイトに様式があります)
- 被相続人の死亡の記載がある戸籍と、不動産を取得した方の戸籍
- 不動産を取得した方の住民票(住所を証する情報)
- 固定資産評価証明書(登録免許税を計算するために使います)
- 登記事項証明書(現在の登記内容の確認用)
必要書類の細かい揃え方と大阪法務局での手続きは大阪で相続登記をするときの管轄と必要書類に、ご自身で申請する場合の進め方は相続登記を自分でやる場合の費用と手順にまとめています。
確定証明書と謄本の取り方・費用
確定証明書は、審判をした家庭裁判所に申請して交付を受けます。手数料は収入印紙で納めます。
金額は民事訴訟費用等に関する法律の別表第二に定めがあります。
| 交付を受けるもの | 手数料 |
|---|---|
| 確定証明書(事件に関する事項を証明した書面) | 1件につき150円 |
| 審判書・調停調書の謄本(事件の記録の謄本) | 用紙1枚につき150円 |
数百円で済む書類です。ここで費用がかさむことはありません。
登録免許税は不動産の価額の0.4%
登記のときに納める登録免許税は、法務局の案内によれば相続登記で「土地の価額に対して0.4%(1000分の4)の税率」が本来適用されます。固定資産評価証明書に記載された価額をもとに計算します。
たとえば評価額1,200万円の不動産であれば、1,200万円 × 0.4% = 4万8,000円が目安です。
なお、法務局は2つの免税措置を案内しています。
- 相続登記をしないまま相続人が亡くなった場合(数次相続):その方を登記名義人とするために受ける登記については登録免許税を課さない。令和9年(2027年)3月31日まで
- 不動産の価額が100万円以下の土地:相続による所有権移転登記について登録免許税を課さない。令和9年(2027年)3月31日まで
いずれも申請書に「租税特別措置法第84条の2の2」の該当項を記載することが必要とされています。書かなければ適用されません。調停や審判まで長引いた案件では、その間に相続人の誰かが亡くなって数次相続になっていることがあります。該当しそうな場合は、申請前に法務局へご確認ください。
登記の期限は「分割の日から3年以内」です
調停や審判で決まったら、そこで安心せずに登記まで進めてください。相続登記には申請義務があります。
不動産登記法76条の2第1項は、所有権の登記名義人について相続の開始があったとき、相続により所有権を取得した方は「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない」と定めています。
遺産分割が絡む場合の期限は、次のように整理されています。
| ご状況 | 登記申請の期限 |
|---|---|
| 相続を知り、所有権を取得したことを知った | その日から3年以内(76条の2第1項) |
| 法定相続分での登記をした後に遺産分割があった | 遺産の分割の日から3年以内(同条2項) |
| 相続人申告登記をした後に遺産分割で取得した | 遺産の分割の日から3年以内(76条の3第4項) |
調停なら成立した日、審判なら確定した日が「遺産の分割の日」にあたります。
正当な理由がないのに申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になります(同法164条1項)。
なお、3年以内に遺産分割がまとまりそうにない場合には、相続人申告登記という制度があります(同法76条の3)。登記官に対して「この不動産の登記名義人について相続が開始した」「自分はその相続人である」と申し出るもので、期間内に申し出れば申請義務を履行したものとみなされます(同条2項)。調停や審判が長引いている間の、義務違反を避けるための備えとして使えます。制度の全体像は相続登記義務化の完全対応ガイド、過料の実際については相続登記の過料はいくら?をご覧ください。
大阪市の不動産で調停・審判になったときの実額
申立先は、物件の所在地では決まりません。相手方の住所地で決まります。ここを勘違いされている方が多いので、先にお伝えしておきます。
裁判所のウェブサイトによれば、遺産分割調停の申立先は「相手方のうちの一人の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所」です。
つまり、大阪市内の実家が対象でも、相手方が東京にお住まいなら東京の家庭裁判所になります。逆に、ご自身が遠方にいても相手方が大阪市内にお住まいなら、大阪家庭裁判所での手続きになります。
申立てにかかる費用
裁判所の案内では、必要な費用は「被相続人1人につき収入印紙1200円分」と「連絡用の郵便切手」です。郵便切手の額は裁判所ごとに異なります。
大阪家庭裁判所 家事第3部遺産分割係が公開している予納郵券早見表(令和6年1月時点)では、当事者の合計人数に応じて次のように定められています。
| 当事者の合計 | 予納する郵便切手の合計額 |
|---|---|
| 2人 | 4,600円分 |
| 3人 | 6,900円分 |
| 4人 | 9,200円分 |
| 5人 | 11,500円分 |
早見表の内訳は当事者1人あたり、500円×2枚・100円×5枚・84円×5枚・50円×5枚・10円×10枚・5円×5枚・1円×5枚(合計2,300円分)で、これに当事者の人数を掛けた枚数を用意します(当事者11名以上は加算のしかたが変わります)。申立て自体の実費は、収入印紙と合わせても1万円前後です。
ここで費用が膨らむのは、弁護士に依頼した場合と、不動産の評価で鑑定が必要になった場合です。大阪家庭裁判所の資料は、遺産の評価について「不動産や非公開株式については、評価額の合意ができなければ、鑑定することになります。費用は相続人の方に負担していただくことになります」としています。評価で揉めるほど、実費が増えていきます。
手続き全体の流れ
| 段階 | 何が起きるか |
|---|---|
| 申立て | 相手方の住所地の家庭裁判所へ。収入印紙1,200円+郵便切手 |
| 特別送達 | 相手方へ呼出状と申立書の写しが届きます |
| 調停期日 | 調停委員が双方の話を別々に聴きます |
| 成立 | 調停調書ができます → 単独で登記申請へ |
| 不成立 | 自動的に審判手続へ(家事事件手続法272条4項) |
| 審判 | 裁判官が分け方を判断します |
| 告知から2週間 | 即時抗告がなければ確定(同法74条4項・86条) |
| 確定証明書の交付 | 家庭裁判所へ申請。1件150円 |
| 相続登記 | 法務局へ単独申請。登録免許税0.4% |
審判で「競売」になる前に、できることがあります
ここまでお読みいただいてお気づきかと思いますが、審判は「決まる」手続きであって、「得をする」手続きではありません。
不動産をどう分けるかについて、大阪家庭裁判所の資料は「各人がそれぞれ現物を取得する方法、一部の相続人が現物を取得し、代わりにお金(代償金)を支払う方法、現物を売却して売買代金を分け合う方法等があります」と説明しています。
このうち現物を売却して分ける方法で、任意の売却がまとまらない場合、競売になることがあります。競売は買い手が現地を十分に確認できず、引き渡しの保証もないため、任意の売却に比べて価格が伸びにくい手続きです。全員で分け合う金額そのものが小さくなります。
宅建業者の視点
大阪市内の実家を相続され、きょうだい間で調停になっているという段階でご相談をいただいたことがあります。「売る」ということ自体には全員が反対していないのに、いくらで売れるかがわからないので誰も動けない、という状態でした。買取の査定額をお出ししたところ、「この金額で分けるなら」と話が前に進みました。揉めているのは分け方ではなく、「金額がわからない」ことだったわけです。調停中でも査定はできますし、査定を受けたからといって売らなければならないわけでもありません。数字が一つ乗るだけで話が動くことは、実際にあります。
調停中でも、ご自身の持分だけを売る方法があります
もう一つの選択肢が、ご自身の共有持分だけを先に手放す方法です。相続が発生した時点で、遺産である不動産は相続人の共有になっています。共有持分の処分は、法律上、他の共有者の同意なしにできます。
ただし、通常の不動産仲介では共有持分だけの売却は成立しにくいのが実情です。持分だけを買っても自由に使えないため、一般の買い手がつきません。共有持分の買取に対応している業者に相談する必要があります。
考え方と注意点は共有持分の買取とは?、共有物分割請求まで進んだ場合の実務は共有物分割請求の実務にまとめています。持分の売却は他の相続人との関係に影響しますので、進める前に弁護士へご相談ください。
まとめ
- 特別送達は受け取り拒否では止まりません。正当な理由なく受領を拒めば、書類を差し置くことで送達の効力が生じます(民事訴訟法106条3項)。届いたら開けて、返信期限を確認してください
- 調停に出席しなくても、手続きは審判へ進みます。調停が不成立になると、遺産分割については家事調停の申立ての時に審判の申立てがあったものとみなされます(家事事件手続法272条4項)
- ただし前提問題で争いがある場合は、審判へ移行しないことがあります。相続人の範囲・遺産の範囲・遺言の効力に争いがあるときは、先に民事訴訟等での解決が必要です(大阪家庭裁判所)
- 審判は出た瞬間には確定しません。即時抗告ができる審判は確定しなければ効力を生じず(同法74条2項)、即時抗告の期間は告知を受けた日から2週間の不変期間です(同法86条)
- 確定したら、不動産を取得した方が単独で相続登記を申請できます(不動産登記法63条2項)。審判書の謄本と確定証明書、調停なら調停調書の謄本を添えます
- 確定証明書は1件150円、謄本は用紙1枚150円(民事訴訟費用等に関する法律 別表第二)。登録免許税は不動産の価額の0.4%です(法務局)
- 登記の期限は遺産の分割の日から3年以内。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です(不動産登記法76条の2、164条1項)
調停や審判は、時間はかかりますが、必ず終わります。そして終わった後には、登記という実務が必ず残ります。審判書が届いた日に2週間後をカレンダーに書き、確定したら確定証明書を取って法務局へ——この順番だけ押さえていただければ、手続きとしては迷いません。
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「調停中だけれど、いくらで売れるのかだけ知っておきたい」「審判が確定したので、名義を変えたら手放したい」——その段階のご相談を歓迎しています。査定は無料で、売却を強制することはありません。
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